Googleの従業員約3000人が、米国防総省のプロジェクト「Project Maven」への協力中止を求めてGoogleに抗議した問題に続き、一部の従業員が同社を辞職したことが報じられた。
Gizmodoの報道によると、Project Mavenに反対する嘆願書には従業員約4000人が署名しており、Googleが同プロジェクトへの協力を継続していることに抗議して、10名ほどの従業員が辞職したという。
Project Mavenは、軍事用ドローンが撮影する膨大な量の映像から人間や物体を発見できる人工知能(AI)技術の開発を目的としている。
Googleは、この技術は画像にフラグを立てて人間が検証できるようにするもので、「非攻撃的な用途に限定されている」と述べていた。
だが、一部の同社従業員は「私たちは、Googleが戦争ビジネスに加担すべきではないと信じている」とする嘆願書を提出し、同社に対しプロジェクトの中止と、軍事技術を開発しないという明確なポリシーの策定を求めていた。
Gizmodoの報道によれば、Googleは機械学習の利用における「ポリシーと保障」に関する規約をいまだに明文化していないという。
辞職する従業員の1人は、(Project Mavenの)「契約を結ぶよりも前に、(倫理的問題に)取り組むべきだった」と述べた。他の従業員は、Google幹部は賛否の分かれる決定に関して、以前よりも従業員への説明に透明性を欠き、従業員からの懸念に対応しなくなっていると述べた。
しかしGoogleは、Project Mavenに関するGoogleの契約について、賛否両方の従業員との会合を何度も行ってきたとされている。
また、400人を超える世界の学識者や研究者がこの抗議を支援し、米国時間5月14日にGoogleへの書簡を公開した。
書簡では、Googleに対しProject Mavenの契約を終了し、軍事技術を決して開発しないこと、収集した個人データを軍事活動に利用しないこと、自律型兵器の開発に参加しないことを誓約するよう求めている。
米ZDNetはGoogleにコメントを求めており、現在のところ回答は得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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