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AIによるビジネス変革の可能性--Microsoft Digital Transformation EXPOレポート - (page 2)

西中悠基 (編集部)2018年05月17日 19時32分
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AIを導入したきっかけとは

 AIとは縁遠いと思われる業界での導入。やはり気になるのは、AIを導入するに至ったきっかけだろう。小田島氏は、小売業に参入した際の疑問がきっかけだと語る。「来客数や商圏からの流入数のカウントをどうするのか、という疑問があり、解決するツールを探していた」(小田島氏)。そこで出会ったのが画像解析AIだ。このAIで顧客属性を収集でき、POSデータと組み合わせれば購買属性も見ることができる。「このような仕組みはあるようで無いと聞いていたので、ならば自分たちでその仕組みを構築してみよう、ということから導入を検討した」(小田島氏)。

 一方、山田氏の場合、AIの導入は個人的興味が発端だったという。個人的にライブイベントへ出向く際、自身の職業ゆえに参加者層を気にしてしまうという山田氏。Microsoft Azureを知った際、「このプラットフォームで、来客層の定量的な可視化が可能となるのではないか」と考えたという。

 また、実際にAIを導入した結果に対し、小田島氏は好意的だ。「実際に導入してみて、見えないところが見えてくるというところをかなり実感している」(小田島氏)。これまで感覚で判断していた来店客の属性は、AIの導入により数値化を実現した。数値化したデータにより、現場も自社がどの客層に強いかを把握でき、商品提案やディスプレイの検討など、現場から意見が挙がるようになったという。また、「2017年1月と2018年1月の比較では、売上は約2倍、利益は約4倍」と、AIの導入により、利益率が向上したと評価した。

 一方の山田氏は、AIにはまだ課題があると指摘する。ライブ会場は暗い上に光の点滅もあるため、AIの確実なデータ収集は難しいという。この点に関しては、カメラの交換や撮り方の変更などの試行錯誤を繰り返しているといい、「AIを入れればすべててを無条件で解決できることではない、という技術的な限界」を感じているという。感情解析ソリューションでは現状の精度で十分なデータになっているとしつつ、AIのさらなる発展に期待を寄せた。

感情分析ソリューションで撮影した実際の映像
感情分析ソリューションで撮影した実際の映像

AIを導入する際に社内でどんな反応があったか

 新しいものを導入し、業務に変化が生まれるとなると、当然反発も出るだろう。この点に関して、両社ではどのような反応があったのか。

 山田氏は、「当初は社内の反応は乏しかった」と語る。しかしながら分析の試行を繰り返していくと、さまざまな部署から反響があったという。たとえば、ライブチケットの販売は外部業者に委託しており、その顧客データはエイベックス側は持っていないものだ。必然的に、これまでは来客を見ることでしか顧客層を判断できず、その判断も現場スタッフの肌感覚のみ。そのため、従来は顧客データの数値化は困難だった。AIの導入により、このような課題が解決できていることを、エイベックスでは評価しているという。

 小田島氏は、AI導入前のゑびやでは「勘に頼って来客予測をしていたため、予測が外れて材料が余ってしまうことも多々あった」と振り返る。AIを導入し、来客予測で提供数が把握できれば、基本的に材料のロスは生まれない。予測が外れた場合でも、現場スタッフはAIの責任と考えることができる。また、商品開発企画部門では、画像解析AIの導入により、自分たちの店舗がどのような属群の顧客に求められているかを明確に把握できる。これらの業務改善により、直接AIの恩恵を受ける現場をはじめとして、全社的に好意的な意見が聞かれるという。

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