AIによるビジネス変革の可能性--Microsoft Digital Transformation EXPOレポート - (page 3)

Microsoft Azureの魅力とは

 両社のAIは、マイクロソフトのAzureをプラットフォームとして使用している。このAzureの魅力はどこにあるのか。

 クラウドの黎明期からマイクロソフトとのエンタープライズ契約を結んでいるエイベックス。山田氏は、「さまざまな機能が次々と追加され、積極的にサービス開発も進めているという点は非常に魅力的」だと語る。感情分析AIでエイベックスが使用するCognitive Servicesに関しても、他社製品と比較した実証実験において、一番の結果を出しているという。「そこに関してはかなり差が出ていると思う」と、Azureの性能を評価した。

 小田島氏も、来客予測AIや画像解析AIの導入時には、他社の製品と比較したという。その上で、「Microsoft Azureはインターフェースも含めて非常にわかりやすくて使いやすい。サポートもしっかりしている」と評価する。「何か困ったことがあったらすぐに助けてくれる、というのは非エンジニア、エンドユーザーにとってはとてもありがたい。馴染みのある使い勝手の良さに魅力を感じる」(小田島氏)。

AIを活用した両社の将来構想は

 AIを使用してさまざまな改革を試みてきた両社。今後の展開はどのようなものになるのだろうか。

 小田島氏によると、先述したようにゑびやでは現在、画像解析AIやPOSが収集したデータを一画面で見ることができるプラットフォームを、6月末を目途に開発しているという。また、チャットボットを活用したAIによる観光地案内システムの開発、画像解析AIを活用した無人店舗も検討している。「企業が変化することを恐れる人は多いが、変化することによって企業が成長する」と、AIの導入による社会の変革を期待する小田島氏。「データを自動的に収集し、1つの画面で見られるようなインターフェースを開発して、日本のサービス業に普及させていきたい」と、自身がサービスプロバイダとして展開していく構想を語った。

 山田氏は、「今回紹介した感情分析は、エンターテイメントを軸に持ちながらも、さまざまな業界に提供していきたい」とする。エンターテイメント分野では、コンテンツを創生するというエイベックスの立場から、コンテンツ製作現場への積極的なAI導入も検討。すでにいくつかの実証実験も進めているという。また、人事に関する領域への参入にも触れ、「エンターテイメントだけではなく、さまざまな領域の課題解決の場面でAIが使えるのではないかと考えている」と、AIが最適解ではない領域も踏まえつつ、積極的にチャレンジしていきたいと締めくくった。


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