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ドコモ吉澤社長、海賊版サイトは「見過ごせない」--自主的にブロッキングへ

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 NTTドコモは4月27日、2017年度の通期決算を発表。営業収益は前年同期比4%増の4兆7694億円、営業利益は3%増の9733億円と、増収増益の決算となった。


決算会見に登壇するNTTドコモ代表取締役社長の吉澤和弘氏

 中でも売り上げを押し上げたのは通信事業だ。携帯電話契約数が前年同期比2%増の7637万契約にとどまり、解約率も0.59%から0.65%へと上昇するなど、モバイル通信は停滞傾向にあるが、固定ブロードバンドサービスの「ドコモ光」は引き続き前年同期比1.4倍の476万契約と大きく伸びるなど好調を維持し、売り上げの伸びを支えている。だがそれに連動する形で、NTT東西からネットワークの卸を受ける際に支払う費用が増えており、営業利益は前年と同じ水準にとどまっている。


ドコモの営業利益。「ドコモ光」の伸びで利益は増えている一方、それに伴ってNTT東西からの回線の卸にかかる費用も増えているという

 一方で利益を押し上げているのがスマートライフ領域である。グループ会社であるD2Cの取引形態変更の影響から、スマートライフ事業自体は減収となっているものの、引き続き「dカード」などの決済系サービスが伸びるなど事業全体としては好調に推移し、営業利益が年間予想の1300億を上回る、1405億円を達成したとしている。

 加えて、かねてより推し進めているコスト効率化も、第4四半期の実績が350億円となり、通期では980億円と、当期予想の900億円を上回る効率化を達成。積極的なコスト効率化も、利益向上に大きく貢献したという。


コスト効率化は980億円に達し、当期予想の900億円を上回る水準となった

段階制のデータ定額「ベーシックパック」を提供

 同日に実施された決算説明会において、NTTドコモ代表取締役社長の吉澤和弘氏は2018年度の業績予想を発表。2018年度から、米国会計基準からIFRS(国際財務報告基準)へと移行すると説明した。2017年度の業績をIFRSベースで算出した場合と比較して、営業収益が349億円増の4兆7900億円、営業利益が31億円増の9900億円を見込むとしている。

 業績向上のための大きな取り組みの1つとして、吉澤氏は事業基盤を従来の携帯電話回線を軸としたものから、同社の「dポイント」の会員プログラム「dポイントクラブ」を軸としたものに変えることを挙げた。5月1日に実施予定のdポイントクラブのリニューアルで基幹システムを入れ替えることにより、ドコモの回線契約者のみにとどまらない価値を提供できる環境を実現するとしている。


事業基盤の軸を従来の回線契約から、dポイントクラブへと移すことにより、ドコモの回線契約者以外にも価値を提供できる環境を提供し、成長につなげていくとのこと

 そして、もう1つは成長分野への投資である。2018年度から5Gへの投資が本格的にスタートするほか、近日中の提供を予定しているAIエージェントなどへの取り組みを強化し、競争力を拡大していくと吉澤氏は話す。

 さらに吉澤氏は、通信事業における新たな顧客還元策として、5月25日より「ベーシックパック」「ベーシックシェアパック」を提供することを発表した。これはデータ通信の利用がより少ない人に向けたパケットパックで、その月に消費した通信量に応じて4段階に料金が変化するというもの。個人向けのベーシックパックは月額2900円、家族向けの「ベーシックシェアパック」は月額6500円から利用できるという。

 また両サービスの提供に合わせる形で、個人向けの小容量のパケットパック契約時は選ぶことができなかった、月額980円の基本料金プラン「シンプルプラン」を、すべてのパケットパックで契約できるよう変更。ベーシックパックとシンプルプランを契約した時も、「docomo with」「ずっとドコモ割プラス」などを適用することで、月額2480円から利用できるとしている。


5月25日より段階制のデータ定額サービス「ベーシックパック」などを提供開始。「シンプルプラン」との併用も可能で、従来より一層低価格での利用が可能になった

 これらのサービスを投入した背景について吉澤氏は、総務省の有識者会議の影響に加え、「利用者分析の中で、通信料が少ない人の(番号ポータビリティによる)ポートアウトが少し多くなる兆候もあった」と話す。低価格を求める顧客の流出を防ぎ、顧客基盤強化につなげる狙いがあるようだ。

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