Cambridge Analyticaのデータマイニングをめぐる不祥事と偽ニュースが、英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit)を問う2016年の国民投票に及ぼした影響に関して、Facebookの上級幹部の1人が現地時間4月26日、英国政府から厳しく追及された。
Facebook最高技術責任者(CTO)のMike Schroepfer氏は、最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏の代理として、英議会のデジタル・文化・メディア・スポーツ委員会から質問を受けた。
Damian Collins委員長とそのほかの議員たちはFacebookの最近の不祥事について、Schroepfer氏を厳しく尋問した。Facebookユーザーのデータを使ってBrexit国民投票に影響を及ぼしたとされるCambridge Analyticaについての質問もいくつかあった。
外国の支援を受ける政治運動にさらされた英国のFacebookユーザー数について尋ねられたSchroepfer氏は、具体的な数字は持っていないと述べた。同氏は今回の審問の後で詳しい情報を提供すると約束することで多くの質問をかわしたが、これもその1つだった。
Julian Knight議員は、Cambridge Analyticaの事件を伝えたThe Guardianに対してFacebookが訴訟を示唆して脅威を与えたとして、謝罪を要求した。また、Knight議員はFacebookが合法的な調査を妨害している可能性があるとして非難している。
Cambridge Analyticaによるデータの不正利用についてFacebookが認識したのは、2015年のThe Guardianによる報道を通してであった。Facebookは2018年に入るまで、不正利用について英国の情報コミッショナーに連絡せず、ユーザーにも伝えなかった。
「今になって考えてみると、あれは間違いだった」とSchroepfer氏は述べた。
同氏は、Facebookのプラットフォームが悪用されたことについては「その危険性を十分に理解していなかった」とした。
偽のアカウントやロシアの干渉に対して無力なのではないかとの指摘に対しては、Schroepfer氏は、偽ニュースに対処する最善の策は政治広告の見せ方を変えることではなく、悪い人物を特定して排除することだと繰り返した。
同氏は政治広告について、「言論の自由のための強力なツール」であり制限したくはないとした。一方、仮想通貨に関する広告について、不適切な広告をめぐる懸念から禁止したことも強調した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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