ソフトバンクグループのアスラテック、三精テクノロジーズ、BRAVE ROBOTICSらで構成されるジェイダイト・ライド有限責任事業組合(LLP)は4月26日、乗用人型変形ロボット「J-deite RIDE(ジェイダイト・ライド)」の試作機を公開した。
J-deite RIDEは、人型(ロボットモード)と車型(ビークルモード)とに完全変形できる、全長約4メートルのロボットだ。重さは1695kg。関節数は49だ。ロボットモードは、人が2人乗った状態で二足歩行でき、ビークルモードは人が運転できる。内部コックピットからの操作以外にも、無線または有線で無人遠隔操作も可能だ。
歩行速度は、100m/h(足上げ高さ80mm)、車輪最高速度はロボットモードが30km/h(理論値)、ビークルモードが60km/h(理論値)。実際に人間が搭乗してテスト走行はしているが、スペースの問題により最高速度までは出したことがないことから、理論値と説明した。さらに高速に歩ける余地もあるという。
プレス向けに公開されたデモでは、BRAVE ROBOTICS 代表取締役の石田賢司氏とアスラテック チーフロボットクリエイターの吉崎航氏が搭乗した。スペースの都合から実際の走行はせず、足を上げるデモと、ロボットモードからビークルモード、ビークルモードからロボットモードへの変形のみ公開された。
石田氏は「いつかロボットに乗ってみたいと思っていたが、いつまで待っても乗れるロボットが出てこない。だったら自分でロボットをつくろうと会社を設立した。この変形ロボットでいつか街中を走ること、合体飛行を目指したい」と思いを語る。なお、手のひらに大人を乗せて移動することも設計上は可能だという。
実際に乗った感想は、「乗り心地はいい」(石田氏)という。「車内にあるいろいろな配線をよけながら座らなければならないので、改善の余地はある」とし、量産化に向けた課題についても触れた。吉崎氏は、「乗り心地は思ったより悪くない。思ったほど揺れもないので酔わない。ただ、コックピットは熱源に近いので暑く、エアコンはない。扇風機を付けた」と説明した。
この変形ロボットは世界でも珍しいものという。「細かくは調査していないが、二人乗りで歩行でき、クルマに変形してタイヤで移動できるロボットは唯一無二ではないか」(石田氏)と語った。
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