関西電力は4月24日、電力消費者と自家発電による余剰電力を売電するプロシューマーが、太陽光発電による余剰電力をブロックチェーンを使って直接取引できる実証研究を、豪州のパワーレッジャーと共同で開始したと発表した。
同社によると、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーなどの普及により、現在の電力供給システムは大規模集約型から自立分散型のシステムへ変化しており、将来的にはプロシューマーと電力消費者との間で、専用のプラットフォームを介して電力が直接取引されるようになる可能性があるという。
一方、金融をはじめ各業界においてブロックチェーン技術の普及が進むと予想され、電力直接取引においても電力会社を介さない取引などが考えられることから、ブロックチェーン技術を活用した電力直接取引(電力P2P取引)の実証研究の実績があるパワーレッジャーと共同で実証研究を実施することになったとしている。
研究内容としては、同社の巽実験センターにおいて、太陽光発電設備が設置されたプロシューマー宅で発生した余剰電力を、同実験センター内の複数電力消費者宅へ送電。各住宅に設置したスマートメーターを通じて得られた電力量やそれに伴う料金について、パワーレッジャーの電力P2P取引システムを使い、プロシューマーと電力消費者の間で仮想通貨を用いて模擬的に取引を実施する。
同社は、同実証研究を通じてブロックチェーン技術を用いた事業構築・運営などの知見を得るとともに、今後一般家庭での検証など、より実践的な実証研究にも繋げながら、エネルギーを効率的に活用する社会の実現に貢献するとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」