インテルは4月12日、家庭向け宅内IoTプラットフォームの実証実験を4月から2018年3月まで実施すると発表した。
実証実験は、関西電力とKii、ぷらっとホームの3社と共同で行われる。具体的には、関西電力が運営する電気やガスの料金や使用量をウェブで確認できるサービス「はぴeみる電」を利用する203万人の会員を対象に、モニターとして100世帯を募る。
対象世帯には、インテル Atomプロセッサを搭載したゲートウェイおよびインテルQuarkプロセッサ搭載の環境センサを設置する。環境センサには、「人感センサや温度・湿度センサ、CO2センサ、照度センサ、日本に合わせて地震センサも入れた」(インテル 執行役員 インダストリー事業本部 アジアパシフィック・ジャパン エネルギー事業統括の張磊氏)という。
得たデータをどう活用するのか。「今回の実証に参加する中で、得たデータを勝手に外に持ち出すことは許されない。うちの中でどう活用するかはこれからの話。お客様の了解が得られれば、電気の使用量とデータを掛け合わせることで、(節約などの)アドバイスをするという付加価値が出せたらいいと思っている」(関西電力 理事 お客さま本部 副本部長の有吉猛氏)とし、サービスの詳細は今後詰めていくと語った。
今回は、IoT標準化団体であるOpen Connectivity Foundation(OCF)の仕様に準拠した「IoTivity」を日本で初めて宅内ゲートウェイのプラットフォームとして採用した異種デバイス間の実証実験という。KiiはIoTクラウド環境を提供し、ぷらっとホームは実証用宅内のIoTゲートウェイを担当する。
オープンなIoTデバイス接続環境のもとでも、個人情報データの優れた保護と秘匿性を確保できる宅内IoTプラットフォームが特徴のひとつだ。
個人情報を宅内に保持することにより、家庭消費者の安心・安全を担保すると同時に、必要時や緊急時に信頼されたサービス事業社のみに有益なデータを提供できる仕組みを確立する。
また、容易な顧客セグメンテーションを活用したサービス事業社によるマーケティング分析およびサービス事業の継続的な拡大、世界の標準化団体であるOCFの仕様に基づいたデバイス接続環境によるIoT機器の相互運用性の飛躍的な向上と、サービス・アプリケーションの容易な開発を目指す。
インテルでは、モバイルヘルスケア、小売サービス、保険・金融サービス、教育コンテンツサービス、旅行サービスを提供する事業会社とも連携し、家庭におけるサービス・アプリケーションの検証を行う予定としている。具体的なサービス共同事業者名は、後日公表予定だ。
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