最初のPC革命は、マシンを組み立てキットから、あるいはゼロから組み立てる職人的な人や愛好家たちが起こしたものだ。だが、今や技術とDIY精神との結びつきはほとんどの人にとって過去のことだ。
無理もない。製品がひとたびマスマーケット状態になれば、組み立てるよりも完成品を購入した方がずっと簡単で安上がりだ。部品とマザーボードの相性についてあえて思い悩みたい人などいるだろうか。
もちろん、これはテクノロジに限った話ではない。車の所有者はたいてい、ガソリンを入れることやせいぜいタイヤの整備くらいで、それ以上の知識もなく運転している。
だが、デバイスを積極的に使うようになったわれわれが、社会でかつてなく大きな役割を担うようになったテクノロジを受動的に消費するようになったことは危険だ。
われわれは常にテクノロジを利用しているが、通常はそのテクノロジがどのように作られ、何が隠されていて、利用者の目的以外に何をしているかについてはほとんど注意を払わない。最近のFacebookの個人データが不正利用された問題のように、事態が悪化して初めて注目するのだ。
問題はソーシャルメディアだけにはとどまらない。われわれはPCやスマートフォンなどの端末の詳細をテクノロジ企業任せにしている。そうした企業は定期的に性能をアップグレードしてくれる。だが、PCやその他の端末の修理が難しくなってきているのは良くないことだ。中には修理あるいはアップグレードができないように密閉されており、開けて内部を見ることすらできないものもある。これはメーカーにとっては都合がいい。内部を見ることができなければ、ユーザーは宣伝や広告を信じやすくなるからだ。これは消費者にとってはあまりよくないことだろう。
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