動画コミュニティ「MixChannel」の2016年10~12月版の媒体資料が興味深い。MixChannelは現在、ダウンロード数550万を突破し、1カ月の動画再生数は5.5億回、訪問者数は400万人以上となっている。利用者の年齢層は16歳が17%、17歳が16%、15歳・18歳が各14%と中高校生が大半であり、女性が81%を占める。圧倒的に女子中高生に人気が高いのだ。
MixChannelの媒体資料によるユーザーペルソナは、ズバリ「周りの友だちやウェブ上の友だち(Twitterのフォロワーなど)にスゴイ、カワイイと思われたい自己承認欲求が強い」というもの。SNSで積極的に発信を繰り返し、リアルを含めSNSの友だちに「いいね」やリツイート、賞賛のコメントなどを強く望んでいるというわけだ。この連載で繰り返し解説してきた今どき10代女子像そのものだ。
MixChannelには、カップル動画やツインズなど、自分たちが主役になれる動画が多く投稿されている。周囲にスゴイ、カワイイと思われたいという自己承認欲求を満たすのがMixChannelであり、同時に人気が高い理由となっているのだ。
最近、自撮りカメラアプリ「SNOW」(iOS/Android)も10代において人気が高まっている。その理由と背景、裏に潜む問題点について見ていきたい。
10代の子たちがどこかに行ったり何かをしたりする時、まずスマホを構えて写真が撮れる場所を探す。“SNS映えのする写真”が撮れる場所、モノなどを探して、撮影しなければ落ち着かないのだ。写真に残してSNSに投稿しなければ、その場に行ったことやしたことを誰にも伝えられないからだ。「写真が撮れなきゃ意味がない」と女子高生たちは口を揃えて言う。
あるとき、女子高生が数人で場所のわかるものを囲んで「いえーい」というポーズを撮っていた。自撮りが一発で決まったようで、みんなに「これでいい?」と確認を取っていた。なんとなく「(本物の)カメラでも撮るの?」と聞くと、「え?」という顔をして、興味なさそうに「スマホで全部できるから(カメラはいらない)」と答えていた。
女子高生たちの撮影した写真をSNSなどで見かけたことがあるだろうか。TwitterやLINEなどで女子高生の公開している写真を見ると、誰が撮ってもほとんど同じ構図になっていることに気づくだろう。彼女たちは写真に個性は求めていない。単に「キラキラしてる」と思われたいだけなので、むしろ、すでに受け入れられているパターンに則った写真が撮りたいのだ。そして、「キラキラしてる」写真は、スマホでも構図とフィルタによって十分作れる。
彼女たちは、キラキラしている、つまり“リア充っぽい”、“お洒落っぽい”写真を好む。Instagramでよく見かける写真が、彼女たちのいう“お洒落っぽい”写真だ。つまり、お洒落アイテムが綺麗に写っているかどうか、自分たちがキラキラ輝いて見えるかどうかが大切なのだ。だから、比較的安価にお洒落っぽい・リア充っぽい感じを演出できるスターバックスを偏愛しているし、キラキラのお手本を探しては真似をする。
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