Microsoftは、簡単に持ち運べるマット型デバイスを開発している。同社は「Project Zanzibar」と呼ばれるこのデバイス開発の詳細について、カナダのモントリオールで現地時間4月21日〜26日に開催されるAssociation for Computing Machinery(ACM)主催のカンファレンス「CHI 2018」で発表する予定だ。
具体的には、Microsoftの研究者らが4月23日と24日に、「Project Zanzibar: A Portable and Flexible Tangible Interaction Platform」(プロジェクトザンジバル:折り曲げて持ち運ぶことが可能な触知プラットフォーム)と呼ばれる論文を発表することになっている。
3月には、WalkingCat(@h0x0d)というアカウント名のTwitterユーザーが、Zanzibarに関する若干の情報を公開した。この元になった情報はMicrosoftによっていったん削除されたが、米国時間4月9日時点で再び公開されている。このTwitterユーザーはまた、Zanzibarの写真を数枚投稿した。
Microsoftはこの研究プロジェクトについて、「Zanzibarは折り曲げて持ち運べるマットで、物体をマットの上に置くと、それぞれの物体を識別したり物体と情報をやり取りしたりできる。また、ユーザーが触れたことや、マット上方の空間で手を動かして示したジェスチャーを認識できる」と説明している。
このマットは近距離無線通信(NFC)を利用し、広い面上で動作するようになっている。また、NFC信号強度と静電容量式フットプリント検出の組み合わせによって、オブジェクトトラッキング機能を実現しているとMicrosoftは説明している。この折り曲げ可能なマットは、マットの向きやマットにかかる力を検知できるほか、検知可能な領域をマットの表面以外(例えばマットに置かれた塔の上など)に拡大することが可能だ。
Microsoftの担当者は4月9日付けの投稿でZanzibarのマットの試作品について、「機能を自己完結できるように設計されている。つまり、マット本体のみですべての検出動作と処理を行う。ハイレベルのインタラクションイベントが、USBまたはBluetoothでマットに接続されたデバイスに送信される」と説明している。
同社によると、Zanzibarで使われる物体にはすべて世界で固有のIDがあるため、各物体に関するデータが保存されていくことになる。これにより、オモチャや物体がそれぞれの歴史を持ち、そのストーリーを語るというコンセプトも考えられるという。マット上でオモチャを動かすと、音やビジュアル、それに特殊効果によって、そのオモチャに命が吹き込まれる。また、マットをゲームの一部として利用し、物理的なゲームとデジタルゲームを融合させることが可能だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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