女子高生が下着姿をSNSで送信--子どもの“自画撮り被害”を防ぐドコモの取り組み - (page 3)

保護者の情報モラルという、もうひとつの課題

―― 一方で、保護者の世代も充分に情報モラルが備わっていないという実態もあるのではないでしょうか。中には、保護者自身がSNSなどを通じて子どものプライバシーを発信してしまうというケースも見受けられます。

菅野氏 : そうですね。保護者が子どものプライバシーを流出してしまうことは、実は少なくありません。子どもよりも保護者や学校の先生の方がスマートフォンを使いこなせていないという課題がありますし、保護者・教員向けのスマホ・ケータイ安全教室の開催数や参加者数は増えているものの、危機意識をあまりお持ちではない、一番聞いていただきたい保護者の方の参加はあまり増えていないという実態もあり、いま私たちとしては取り組むべき重大な課題だと強く感じています。


「スマホ・ケータイ安全教室に参加しない保護者にどう啓発するかが課題」と菅野氏

 スマホ・ケータイ安全教室では、すべてのカリキュラムでスマートフォンや携帯電話の使い方について、家庭のルールを作るように促しています。たとえば、中高生の子どもがスマートフォンを使い始めて、後から家庭のルールを決めようとしても、子どもたちはなかなか受け入れてくれません。なので、持たせる前の早い段階からまずはルールを決めてもらったり、小学生の段階からネット上のトラブル事例に触れることで、子ども自身が危機感を持って家庭での話題にしてもらったりと、早期に使い方のルールづくりが浸透するように務めているところです。教室を受講した全員にポイントをまとめた冊子を配布し、自宅に持ち帰って家庭で読み返してもらうよう促しています。

合田氏 : この点については、子どもの携帯電話を契約する時点でドコモと保護者が必ず接点を持つことから、フィルタリングサービスの利用説明と同時にネット上で起こりうるトラブルやリスク、安全に使うためのマナーや家庭でのルール作りの重要性についてお伝えするようにしています。ここについては、KDDIとソフトバンクを含めて3社で連携して、お伝えする内容や説明の文言などを統一するようにしています。この分野に関しては、キャリアの垣根を超えて取り組んでいくテーマだと考えています。

――実際、子どもがトラブルに巻き込まれた場合には、どのように対処するように促しているのでしょうか。

菅野氏 : 自分だけで解決しようとせず、保護者や教師など身近な大人に必ず相談するよう促しています。実際に校内でスマートフォンなどをめぐるトラブルが発生したことをきっかけに、スマホ・ケータイ安全教室に申込みされる学校も多いですね。なお、受講後に配布する冊子には、子どもがトラブルに巻き込まれた際に問い合わせや相談をする窓口の一覧をまとめています。

 また、スマホ・ケータイ安全教室を開催する際には、学校の課題などを踏まえてどのような点を重点的に取り上げればいいのかなど事前に学校側と打ち合わせを行う場合があるほか、実際にトラブルの当事者になってしまった生徒を想定して教室を行うケースもあります。

――最後に、今後の青少年によるスマートフォンの健全利用に向けてドコモの取り組みについて教えてください。

菅野氏 : 現在推進している啓発活動を、店頭、ウェブサイト、学校などさまざまな場所で、保護者、教育関係者、関係省庁と連携しながら継続的に展開していきたいと考えています。2月からは学校だけでなくドコモショップでもスマートフォンの安全利用を促進するための親子教室を開始しており、学校でスマホ・ケータイ安全教室を受ける機会がない親子についても、スマートフォンの正しい使い方を理解できる機会を広く提供できればと思います。携帯電話会社のショップは、子どもたちにとってスマートフォンに触れる入口でもありますので、そこでの啓発はしっかりしていきたいと考えています。

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