スマートフォン向けゲーム「Fate/Grand Order」や「バンドやろうぜ!」の企画・開発を手掛けるディライトワークスは、社内設備として従業員向けのボードゲームカフェを新設。メディア向けにお披露目した。
ボードゲームカフェの設置は、人員増加にあわせてスペースを増床したことにともなうもの。単なるスペースだけではなく、ボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFE」が監修したもので、初期段階で260個を超えるボードゲームを常備した本格的なもの。社内のレストスペースなどにボードゲームがあること自体は珍しくないものの、ここまで本格的なものは例がないという。
社内ボードゲームカフェ設置の背景として、ディライトワークス執行役員 クリエイティブディレクターの塩川洋介氏は、社内に熱心なボードゲーム好きスタッフが多く、業務時間外に会議室で遊んでいる光景が多く見られたことがきっかけとし「みんなが『やりたい』と思っていることを、会社の中心に据えたいと考えた」と説明。あわせて「スペースを作ってボードゲームがあればボードゲームカフェと自称できるが、やるからには本気で、本物を作りたい」とし、塩川氏自身がJELLY JELLY CAFEの雰囲気を気に入っていたこともあって監修を打診したとしている。
狙いとして、社員同士、クリエーター同士の交流がクリエイティブに大きな力となること、そしてボードゲームは面白さを突き詰めたジャンルであることから、実際に触れることにより、面白さを考える文化を根付かせるという2つがあるという。
JELLY JELLY CAFEオーナーの白坂翔氏は、ここ数年でボードゲーム業界が大きな盛り上がりを見せており、ボードゲームカフェも増加傾向。ユーザーも増えているという。JELLY JELLY CAFEは、もともとは2011年から渋谷の1店舗で運営を続けていたが、2016~2018年で6店舗増やし、全国7店舗で展開しているという。また「モバイルゲーム会社やIT系ベンチャー企業はボードゲームが好きな人は結構多い。実際に社内でボードゲーム部を作って活動したり、休日にオフィスでボードゲーム会をやっているところもある」と語る。目に見えた盛り上がりはあるものの、まだまだ国内ではボードゲーム業界は市場が小さいとし、今回の事例をきかっけに社内ボードゲームカフェの設置が続くならば、業界としても盛り上がると期待を寄せていた。
今後としては、ボードゲームを通じて得た知見をデジタルゲームにも生かしていく考えであるほか、コミュニケーションツールとしてスペースを活用したイベントや交流会も検討。またボードゲームクリエーターとの交流を通じて、開発の参加や協業なども考えていきたいという。さらには、オリジナルボードゲームの開発にも意欲を示した。実際にFGOをテーマとした、フィギュアとカードを使った英霊召喚ボードゲーム「Fate/Grand Order Duel -collection figure-」を開発中。塩川氏は「単なるフィギュア販売だけではなく、ボードゲームを作りたいという意思の表れ」と語った。
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