GoogleがLytroを買収するのではといううわさが先頃報じられたが、事実はやや異なるようだ。しかし、Lytroが事業を停止し、従業員の一部が実際にGoogleに移籍するのは確かである。Googleも電子メールでそのことを認めた。Lytroは米国時間3月27日、ウェブサイトに短いお別れのメッセージを投稿した。その一部を紹介する。
映画や仮想現実のコミュニティーに貢献することは、名誉であり、喜びだった。だが当社は事業終了に向けて準備をするため、27日以降は新製品への取り組みや、プロフェッショナル向けサービスの提供を停止する。
Lytroは、ライトフィールド技術を利用したカメラで有名になった。このカメラは、撮影後にピントを合わせられるカメラの元祖と言える製品で、一種のリバースレイトレーシングの手法を用い、無限遠の被写界深度(DoF)で、写真に写るすべての情報を光学的に記録する。同様の技術が、その後、カメラのマルチショットモード(パナソニックの「フォーカスセレクト」など)やスマートフォン(「Galaxy S5」など)で採用されている。
GoogleはLytroを買収しなかったものの、Lytroの資産の一部(おそらくライトフィールドとイメージングに関連する59件の特許)を手に入れた可能性はある。無限遠の被写界深度情報を記録する機能は、仮想現実や複合現実のコンテンツ制作に役立つかもしれない。ユーザーは、没入環境にいるときにも、現実世界と同じように視界や焦点を常に変えるからだ。
Lytroはもともと、カメラ企業として創設された。米CNETが2012年に初代製品の「Lytro Light Field Camera」をレビューしたとき、われわれは興味をそそられたが、そこそこのカメラに約400ドル(約4万3000円)を払うほどの価値はないと感じた。最大の特徴である写真撮影後のピント合わせ機能は、ユーザーの抱える問題を解決するかに思われたが、それほど多くの人が気にしているものではなかった。また、その機能にはコンピュータ上の処理が必要だった。人々が求めていたのは、よりスマートなオートフォーカスだったかもしれないが、手間が増えることではなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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