Donald Trump米大統領は米国時間3月19日、ベネズエラが1月9日以降に発行したあらゆる仮想通貨について、米国民による購入を違法とする大統領令を発した。Trump大統領はSteven Mnuchin財務長官に対し、この大統領令を施行するために必要な規則や規制を発動する権限を与えた。
南米のベネズエラは目下、ハイパーインフレーションと現金不足によって大きな打撃を受けている。ベネズエラの通貨は急速に価値を失い、国民は食料や医薬品の不足に苦しんでいる。悪化する経済を活性化させ、国外から資金を調達するため、同国のNicolas Maduro大統領は2月、石油資源を裏付けとしたデジタル通貨「ペトロ」(Petro)の販売を開始した。
だが米国は、ベネズエラの複数の指導者に制裁を科しており、Maduro大統領に対しても、国民に救援物資を分配し、外国からの支援拒否を停止するよう求めてきた。米国でペトロの取引が禁止されたことで、Maduro大統領の資金調達はますます困難になるだろう。さらに米国は、ベネズエラの石油業界に制裁を科すことを検討している。石油はベネズエラの経済を支える最後の砦だ。
Mnuchin財務長官は新たな制裁を発表した19日付けの声明で次のように述べている。「Maduro大統領はベネズエラ経済を破壊し、人道危機に拍車をかけている。Maduro政権は、これ以上の悲惨な状況を避けるために軌道修正するのではなく、デジタル通貨のペトロを利用して制裁逃れを試みている。このような策略は、民主的に選ばれたベネズエラの国民議会から非難されており、財務省は米国民に対し、こうした策略に加担しないよう警告している」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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