ベネズエラ政府が発行する仮想通貨「Petro」(ペトロ)は、その実現性や裏付けに疑問の声が出ている。しかし、同国のNicolas Maduro大統領の発言が信頼できるとすれば、Petroは先行販売イベントで好調な滑り出しを見せたようだ。
Maduro大統領は現地時間2月20日、投資家らがPetroに真剣な関心を示していると述べた上で、一般向けの発行開始前に行われた先行販売イベントの初日だけで、7億3500万ドル(約790億円)相当の購入申し込みを受け付けたと語った。
Reutersの報道によれば、Maduro大統領は「スーパーマンとも対決できる仮想通貨が生まれた」と述べたという。
ただし、ベネズエラ政府当局は、その金額を調達したことを裏付ける証拠も、投資家の具体的な身元も明らかにしていない。
今回の調達額は、Petroが24時間で調達できる金額に関する大方の予想をはるかに上回っている。そのため、3月に予定されている一般向け発行に向けて、関心を集めるための作り話ではないかという疑念の声もある。
Maduro大統領が仮想通貨の発行計画を初めて明らかにしたのは、2017年12月のことだった。
Petroはベネズエラの石油、ガス、貴金属資源を裏付けとしており、制御不能に陥った経済危機から同国を救うための切り札として期待がかけられている。
ベネズエラに関しては、増え続ける債務、米国による経済制裁、賃金の伸び悩み、生活費の高騰のために、ハイパーインフレーションに突入し、経済が完全に破綻する瀬戸際の状態にあると、複数のエコノミストが指摘している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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