テクノロジを用いた活動で得た利益を何に使うのか。富田氏は「先端テクノロジは全て人を幸せにする方向、世の中、地球を良くするために使う」と、てらいなく語る。その具体的な投資先が「植物工場」「ロボット」「発電」だ。「アフリカに変なホテルを作りたい」という希望を持っていると報道されたこともあるが、「アフリカほどの(過酷な)ところで発電・蓄電し、ロボットやエアコンを動かして食べ物も作れるくらいになれば、どんな温暖化が来たとしても多少はしのげる」という主旨だったとする。
2018年3月現在、国内で3店舗が営業し、年内にさらに8店舗がオープンを予定している変なホテル。そこには「世の中を良くするため」の工夫があると語る。人の代わりにロボットがさまざまな業務を行う同ホテルだが、「完全なロボットはいない」と同氏。宿泊客が自分で機械の操作をすることもあり、操作に戸惑う人も少なくないようだが、「人間がそばにいないことで、自分で一生懸命工夫する」ようになるという。
それでもうまくいかないときは、バックヤードに控えている人間のスタッフが現れて対応することになるが、本来ならクレームがつくようなケースでありながら、変なホテルでは「ありがとうございます、と逆に感謝される」と同氏。「重要なのは、人を(不便さに)慣らすということ。(技術による普段の便利な生活で)人々はぜいたくになっている。そのぜいたくが世界を破壊する」と指摘し、「いかにぜいたくではないテクノロジの使い方をできるようにするか」が焦点になるとした。
同氏はテクノロジで利益を得ることは肯定している。しかし、その先がなく「多くの企業はテクノロジを使って、もうける話しかしていない」のが疑問に感じているという。全てのビジネスは人の幸せを考えるべきだとし、「人のその幸せは環境の良さが大きく影響する。今、環境が悪化しているから、(利益を使って)改善する」のが当然だとし、「人を幸せにしながら、環境を良くしながら、利益を出していく(ビジネス)モデルを常に全員が考えるのが義務」ではないかと声高に訴えた。
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