Eコマース大手Amazonに対する競争力強化を図るWalmartは、食料品配送プログラムを米国全域に拡大する。
世界最大規模の小売業者であるWalmartは米国時間3月14日、食料品配送サービスの提供地域を2018年末までに米国全域の100を超える都市圏に拡大すると発表した。これにより、Walmartの配送サービスは米国世帯の約40%を網羅することになる。
同サービスは、配送プログラムの経済的側面を検討していたWalmartがこの2年間、重点的に取り組んでいたもので、現在は6つの地域で提供されている。プログラムを全米展開するにあたり、Walmartはまず、商品の配送にかかるコストを下げる方法を見つけ、食料品や雑貨の配達を同社のビジネスの中でもより効率的で拡張性の高いものにする必要があった。
こうした目的を達成するため、Walmartは食料雑貨配達のパイロットプログラムを2016年に開始した際、LyftやDelivに加えてUberと提携した。さらに、オンラインで注文された商品を店員が帰宅途中に届けるパイロットプログラムなど、他のラストマイル配送手段も実験した。
こうしてついに、Walmartはその巨大な実店舗網(米国の人口の90%が同社の店舗から10マイル=約16kmの距離に住んでいる)を活かしてコストを下げ、ネットスーパーサービスを他社よりも迅速に展開できる方法を見つけたようだ。
とはいえ、米国で随一の規模を誇るWalmartの実店舗網をもってしても、Eコマースで圧倒的な存在感を持つAmazonの脅威を払拭することはできていない。Amazonは2017年にWhole Foodsを買収して以来、Walmartの最も収益性が高い分野である食料雑貨市場を手中に収めるべく、積極的に動いている。2018年2月には、生鮮食料品をはじめとするWhole Foods Marketの商品を「Amazon Prime」会員向けに無料で配送するサービスを米国の4都市で開始しており、2018年内にこのサービスを全米展開する計画を明らかにしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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