Thurrott.comの記事によると、Microsoftは「Windows 10」のエディション数を拡大する予定だという。
Microsoftは4月以降、現行のローエンドの「Windows 10 Home」エディションを、「Windows 10 Home」「Windows 10 Home in S Mode」「Windows 10 Home Advanced」という3つの異なるエディションに拡大する予定だという。Paul Thurrott氏が、Microsoftの社内文書を実際に確認したとして報じている。
Thurrott氏によると、Home Advancedエディションを搭載する最初のハイエンドPCは5月1日にリリースされる予定だという。
Thurrott.comの追加記事によると、Windows 10 Home AdvancedとWindows 10 Homeの関係は、「Windows 10 Pro for Workstations」と「Windows 10 Pro」の関係と同じであるようだ。つまり、ハイエンドのハードウェアでのみ実行可能で、新機能が1つか2つ追加される可能性がある。
Neowinが2月2日、「Windows 10 Home in S Mode」とみられるものについて報じたが、Thurrott.comの今回の記事は、その内容に合致する。Microsoftの関係者らは、そのようなエディションの存在を正式に明かしていないが、NeowinのRich Woods記者は、「Windows 10 Redstone 4」の「Bug Bash」 のクエストで言及されているのを確認している(3日の時点で、クエストの一覧にはもう含まれていないようだ)。
筆者は最近、Redmond Magazineのコラムで、Microsoftは「Windows 10 S」を当初、OSのエディションとして位置づけていたが、実際にはWindows 10 Proの「モード」だったと書いた。Microsoftの関係者は2017年、「Windows 10 Enterprise in S Mode」というエディションを提供すると明かしたとされる。「Windows 10 IoT in S Mode」が存在する可能性も示唆されている。Windows 10 in S Modeを実行する端末はいずれも、「Universal Windows Platform(UWP)」アプリのみを実行するよう制限されている。
Microsoftは、Windows 10 HomeのユーザーがSからHomeに無償でアップグレードできるようにする計画のようだとThurrott.comは報じている。Microsoftの関係者はこれまでに、Windows 10 Pro in S ModeからWindows 10 Proへのアップグレードを、学生を除くすべてのユーザーに49ドルで提供する計画だとしていた。
Windows 10のArmベースの「Always Connected」端末を提供する準備を進めているOEMの中には、S Modeからの無償アップグレード期間の延長を計画しているメーカーもあるという。Microsoftの関係者は、現時点でWindows 10 Enterprise in S ModeからWindows 10 Enterpriseへのアップグレード料金について言及していない。
Microsoftはなぜ、Windows 10のエディションを拡大するのだろうか。Thurrottが指摘しているように、1つは、(教育機関を含む)ハイエンド以外の消費者市場におけるWindowsの普及率を高めるためだ。
ビジネス分野は以前から、MicrosoftにとってWindows PCの最大の市場となっている。Microsoftは、「Creators Update」の推進や関連機能(複合現実、3D、手描き機能など)の提供を提供することで、消費者市場でのWindows 10のシェア拡大を狙ってきた。今回は、収益の観点からWindows事業の消費者サイドの拡大を図ろうとしているようだ。そのための1つの方法が、さらなる機能を備えた、より高額なエディションのライセンスを購入しなければ利用できない機能を提供することで、OEMからのライセンス収入を増加させることだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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