ソニーは2月2日、2018年3月期第3四半期(2017年10~12月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比12%増の2兆6723億円、営業利益は同3.7倍の3508億円となり、大幅な増収増益となった。
第3四半期通期(2017年4~12月)の連結業績は、同15.7%増の6兆5930億円、営業利益が同3.6倍の7127億円、税引前利益は同4.2倍の6906億円、四半期純利益は同11倍の5076億円になる。
為替の好影響を受けたほか、前年同期に映画分野で営業権の減損損失を計上していること、ゲーム&ネットワークスサービス分野をはじめとする複数の分野で大幅な増益があったことなどから増収増益に結びついたという。
ゲーム&ネットワークスサービス分野では、「PlayStation 4」のソフトウェアの増収と為替の好影響を受け、増収増益。PlayStation 4の累計販売台数は7360万台に達しており、「PlayStation Plus」の有料会員数は3150万人を突破している。
ただし、2018年3月期の通期の見通しは、一部ソフトウェアの発売日変更の影響やハードウェアを年末商戦期のプロモーション価格で想定以上に販売した影響などを受け、売上高は10月時点から600億円減の1兆9400億円、営業利益は1800億円を据え置いた。
音楽分野では、モバイル機器向けゲームアプリ「Fate/Grand Order」が引き続き好調に推移し、映像メディア・プラットフォームの増収に結びついた。売上高は399億円増の2184億円、営業利益は114億円増の393億円で、大幅な増収増益となった。
同じくホームエンタテインメント&サウンド分野も大幅な増収増益に結びついた。テレビの高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善と為替の影響により、売上高は764億円増の4298億円、営業利益は203億円増の462億円となった。
このほか、高付加価値モデルへのシフトにより、イメージング・プロダクツ&ソリューション分野は売上高で140億円増収の1811億円、営業利益は49億円増の260億円となった。
スマートフォンの販売台数減を受け、苦戦が続くモバイル・コミュニケーション分野は、売上高が311億円減の2175億円、営業利益は、主要部品の価格上昇や為替の悪影響を受け、54億円減の158億円になった。販売台数の減少を受け、減収減益となったが、オペレーション費用の削減により、補っているという。
代表執行役副社長兼CFOの吉田憲一郎氏は「持続的に高水準の利益を記録することが大きなチャレンジだと思っている」とコメント。モバイル・コミュニケーション分野については「収益の回復は途上と認識している。黒字化しているが安定しているとは言えない。商品力の強化に注力していく」とし、慎重な姿勢を見せた。
売上高2509億円、営業利益606億円の増収増益となった半導体分野については「モバイル機器向けのイメージセンサは市場のパイはそれほど大きく伸びないと思っている。ただスマートフォンを使う方のカメラに対するニーズは高まってきている。さらにセンシング用途などもあり、スマートフォンに搭載されるセンサの数は増える傾向にある。もう少し先の時間軸では監視カメラや車載用途にも広がり、長期的に見れば市場は成長していくと認識している」と解説した。
2017年3月期通期の業績見通しは、売上高が8兆5000億円、営業利益が7200億円、税引前当期純利益が6900億円、当期純利益が4800億円で、過去最高益になる見込みだ。
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