ソニーは、2018年3月期第2四半期(2017年7~9月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比22%増の2兆625億円、営業利益は同4.4倍の2042億円、税引前利益は1986億円、四半期純利益は1309億円となった。
増収増益の要因は、ゲーム&ネットワークサービス分野の増収と、半導体、ゲーム&ネットワークサービス、その他分野の損益改善によるもの。増収増益に大きく寄与したゲーム&ネットワークサービス分野は、売上高が同35.4%増の4332億円、営業利益は同2.8倍の548億円。「PlayStation 4」のソフトウェア、ハードウェアが増収になったほか、為替の好影響もあった。
同じく、大幅な増収を実現したのが半導体分野だ。売上高は同17.9%増の2284億円、営業利益は同42億円の赤字から494億円の黒字になり、536億円の大幅な損益改善となった。モバイル機器向けイメージセンサの販売数量が大幅に増加し、2018年3月期の見通しも売上高、営業利益ともに200億円の上方修正をしている。
イメージング・プロダクツ&ソリューション分野は、売上高は同15.8%増の1567億円、営業利益は同40億円増益の189億円。ホーム&エンタテインメント&サウンド分野は、売上高が同28.1%増の3009億円、営業利益は68億円の増益の244億円と大幅な増収増益となった。テレビの高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善と為替の影響によるものとしている。
イメージング・プロダクツ&ソリューションに含まれるメディカル事業については、「順調に推移しているが、業界のルールがエレクトロニクスとは異なり、実績を積み上げるには相応の時間がかかる。2012年に2020年度の売上高2000億円を目指すと発表したが、現時点でその達成は困難と判断した。次期中長期計画で見直す」(ソニー代表執行役副社長兼CFO吉田憲一郎氏 )と現状を説明。長期的に取り組んでいる姿勢を示した。
一方、モバイル&コミュニケーション分野は、売上高がほぼ前年並みの1720億円、営業利益は62億円損益悪化し25億円の赤字となった。スマートフォンの販売台数が減少しており、2018年3月期の見通しも8月時点の1650万台から1550万台へと引き下げている。
上期の連結業績を受け、売上高は8兆5000億円(8月時点は8兆3000億円)、営業利益は6300億円(同5000億円)、税引前利益は6000億円(同4700億円)と通期業績見通しも上方修正した。
吉田氏は「上期は半導体、音楽、テレビなどを含む分野の実績が予想を上回った」と上方修正の理由を話す。通期の営業利益6300億円に対しては「1997年度以来、20年ぶりの過去最高益となる見込みだが、これは、20年間自分自身を超えられなかったと総括すべきなのかもしれない。いずれにしても過去よりも未来に向け、成長できるか、生き残れるかを考えるべき。引き続き緊張感をもって経営にあたりたい」と慎重なコメントをした。
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