logo

日本eスポーツ連合が設立--統一団体、プロライセンスは“活躍の場を増やすため”

佐藤和也 (編集部)2018年02月01日 18時10分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 2月1日、日本国内におけるeスポーツ産業の普及と発展を目的とした新団体「一般社団法人 日本eスポーツ連合」(JeSU)が設立。同日付で活動を開始するとともに、発表会を開催した。

 2017年9月に、コンピュータエンターテインメント協会(CESA)ならびに日本オンラインゲーム協会(JOGA)、そしてeスポーツ業界団体である日本eスポーツ協会(JeSPA)、e-sports促進機構、日本eスポーツ連盟(JeSF)の5団体は、eスポーツ団体の統合・新設に向けた取り組みを開始すると発表していた。今回設立されたJeSUは、3つのeスポーツ業界団体を新設統合し、CESAとJOGAに加え、日本アミューズメントマシン協会(JAMMA)とデジタルメディア協会(AMD)の後援を受けて設立された新団体となる。代表理事はセガホールディングス代表取締役社長であり、CESAの会長も務めている岡村秀樹氏が就任する。

3つのeスポーツ業界団体を新設統合し設立
3つのeスポーツ業界団体を新設統合し設立

 主な活動内容としては「eスポーツ新興に関する調査、研究、啓発」「eスポーツ競技大会の普及」「大会におけるプロライセンスの発行と大会の認定」「選手育成支援と地位向上」「関係各所との連携」を予定し、段階的に取り組みを進めていくという。

 上記にもあるように、JeSUでは国内外で活躍できるeスポーツ選手の育成や地位向上を目的として、プロライセンスの発行を予定している。発行にあたり、「プロフェッショナルとしての自覚を持つこと」「スポーツマンシップに則り、プレイすること」「プレイ技術の向上に日々の精進努力すること」、「国内eスポーツ発展に寄与すること」といった、JeSUが掲げるプロゲーマーの定義に誓約したうえで、JeSU公認大会における公認タイトルで、優秀な成績を収めることや、JeSUが指定する講習を受けるといった条件を設け、すべてを満たすプレーヤーにライセンスを発行する。

ライセンス発行対象者
ライセンス発行対象者

 ライセンスには2種類が用意され、15歳以上で義務教育課程を修了としているプレーヤーを対象とした「ジャパン・eスポーツ・ライセンス」のほか、13歳以上15歳未満を対象とした「ジャパン・eスポーツ・ジュニアライセンス」を設ける。ジュニアライセンスでは、高額ではない賞品の獲得は可能で、賞金は不可とするという。またライセンスはタイトルごとに発行し、有効期限は2年間。更新にはeラーニングによる講習を必須とする。

ライセンスカテゴリー
ライセンスカテゴリー

 すでに国内外で活躍しているプレーヤーに対しても、例外として過去の大会などで優秀な成績を収めている場合は、IPホルダー(ゲームメーカー)の推薦を条件にプロライセンスを発行するという。

 eスポーツには個人だけではなくチームプレイのタイトルもあることから、チームライセンスの発行にも対応する。法人格を持ち、IPホルダーが実績を認め、JeSUの承認によって発行される。

実績があるプレーヤーに対しても、ライセンス発行の対応を行う
実績があるプレーヤーに対しても、ライセンス発行の対応を行う

 2月10日と11日に開催されるゲームイベント「闘会議2018」において、JeSUがプロライセンスを発行する最初の公認大会を開催。2017年12月の段階で対象タイトルを「ウイニングイレブン 2018」(コナミデジタルエンタテインメント)、「ストリートファイターV アーケードエディション」(カプコン)、「鉄拳7」(バンダイナムコエンターテインメント)、「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)、「モンスターストライク」(ミクシィ)と発表していたが、2月1日時点で新たに「コールオブデューティー ワールドウォーII」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)が加わり、計6タイトルを予定している。

「闘会議2018」で行われる最初の公認大会のタイトル
「闘会議2018」で行われる最初の公認大会のタイトル

「選手の社会的な地位が確立できることを切実に願っている」

 JeSU設立の背景として、世界におけるeスポーツのオーディエンスは、調査会社の予測によると2020年に5億人になるとも言われており、2022年に杭州で行われるアジア競技大会では、eスポーツが追加されることも決定されている。こうした状況において、競技大会の普及やeスポーツ選手の育成など環境整備を進めていく必要があるとしている。

 今後はJeSUとしてeスポーツにおける国際大会への選手団派遣や、国産ゲームタイトルの供給に向けて、日本オリンピック委員会(JOC)の加盟と、将来的にはオリンピックの公式種目としてeスポーツが採用されることが目標だ。

今後の予定について
今後の予定について
岡村秀樹氏
岡村秀樹氏

 岡村氏は、「選手の環境育成が近々の課題。海外の団体とも連携をとり、今まで以上に選手が海外で活躍する場を設けていきたい」と語った。また日本代表選手という位置づけとなれば、経済的な面も含めてサポートできる。より日本選手が活躍できるよう盛り上げたいとした。

浜村弘一氏
浜村弘一氏

 JeSUの理事を務める浜村弘一氏は、プロライセンス制度の目的について触れ、「あくまでプレーヤーの活躍の場を増やすことが目的」と説明し、「プロライセンス制度は、海外大会への参加や選手のスポンサー獲得、タレント活動に制限を持つものではない。IPホルダーの承認を得て法令を遵守する第三者企業が開催する大会に出場して、賞金を得ることにも影響を与えることはない」と語った。あわせて「今あるコミュニティ活動を制限するものでもない。これまで行われてきた実績のあるコミュニティでの大会などで、IPホルダーの承諾が得られている大会については、IPホルダーからの相談を通じて、できる限り公認に準ずるような位置づけにしたい」とコメントした。

梅崎伸幸氏
梅崎伸幸氏

 発表会では、プロeスポーツチームとして活動しているDetonatioN Gaming代表の梅崎伸幸氏も登壇。国内eスポーツにおける不満点として「世界のeスポーツと比較して、賞金の額が低いこと」を挙げ、今回JeSU立ち上げをきっかけに、高額な賞金付き大会の開催に期待を寄せた。

 もうひとつの不満点として「ゲーマーというだけで社会的な地位が低く、認知されることが少なかったこと」を挙げた。国内初の給料制ゲーミングチームを立ち上げ、数多くのメディアに取り上げられたものの、認知は進まなかったを振り返り、「統一団体ができたことで、JOCの加盟にも道が見えてきた。eスポーツがほかのスポーツと同じ立場で、世間の方々に認められ、選手の社会的な地位が確立できることを切実に願っている」と語った。

イベントのお知らせ

「AI時代の新ビジネスコミュニケーション」~CNET Japan Live 2018

AIのビジネス活用事例を多数紹介 2月27日、28日開催

-PR-企画特集