新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は1月31日、経済産業省や東芝テックと共に、電子レシートを社会インフラ化するための実証試験を東京都町田市内で実施すると発表した。期間は2月13日から28日まで。
同実証試験では、同市内の業態の異なる小売店舗27カ所で、スマートフォンアプリを使った電子レシートとプラットフォームを試験的に導入し、その有用性を検証する。同一商圏内の複数店舗への電子レシートシステを試験導入するほか、 消費者の意に沿わないデータ流出の防止、電子レシートデータ活用可能性の検証を実施する。
これにより、消費者が業種業態問わずどの店舗で買物をしても、標準フォーマット・標準APIを利用した電子レシートを受け取れるようになる。また、電子レシートデータ提供について、電子レシートアプリ上で消費者が自らデータ提供を判断でき、データ提供した際には既存の家計簿管理、健康管理アプリと連携したサービスが利用可能となる。また、提供データをマスク処理することで、意に沿わないデータ流出を防止できるという。
電子レシートデータ活用可能性の検証では、気象データや実店舗のセンサーデータなどのさまざまなIoTデータを収集して、電子レシートデータと組み合わせて分析できる環境を小売店舗に提供。電子レシートデータの活用可能性を検証する。
標準データフォーマットおよびAPIは東芝テックが作成する。これらを実装した電子レシートプラットフォームの開発により、従来個別に開発されていた各社のさまざまな電子レシートシステムや電子レシートを活用するアプリがシームレスに連携できるようになるという。
レシートの電子化は、人口減少に伴う需要減少や消費の多様化の進展に伴う個人消費の停滞を解決する手段のひとつとして注目されており、レシート情報をさまざまなアプリで活用でき、消費者やアプリ開発企業にとって利便性が高まるという。
NEDOによると、電子レシート情報をプライバシーに配慮しつつ蓄積するインフラが構築されると、消費者は安心・納得して電子レシート情報を提供できるようになるほか、メーカーなどの事業者は、小売業者それぞれのPOSデータでは困難であった正確な消費者行動の分析に基づく、商品やサービスを消費者に提供できるようになる。
同組織では、実証試験の結果を踏まえ、購買履歴データの活用促進のための課題整理を行い、経済産業省が策定する電子レシートの標準規格に反映する予定だという。
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