電池交換不要の“クリーンビーコン”を使った観光ガイド--NEDOらが東大寺で実証実験

 ソフトバンクグループのリアライズ・モバイル・コミュニケーションズ、日立製作所、サイバー創研は11月9日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトとして、奈良県の東大寺で「クリーンビーコン」とスマートフォンアプリを用いた観光ガイドの実証実験を開始すると発表した。


無給電で動作するビーコン

 実証実験は、「Nara Audio Guide」(英語、中国語、韓国語対応)を導入したスマートフォンを、東大寺境内に複数設置されているクリーンビーコンに近づけることで、観光ガイド情報やナビゲーション情報が自動的に提供されるというもの。アプリのインストール案内については、奈良県の協力のもと、東大寺境内、奈良ビジターセンター、奈良市総合観光案内所などで配布する。


ビーコン受信エリア

観光ガイドムービー(イメージ)

 また、環境発電による屋内外の無給電動作が可能でメンテナンスフリーなクリーンビーコンによるナビゲーションインフラの確立を目指す。さらに、この成果をガイドラインにまとめることで、クリーンビーコンのオープンプラットフォーム構築と普及を進め、将来的には観光のみならずセールスプロモーションや防災など、さまざまな分野での活用を見込む。


実験終了後も様々な目的で活用可能

 iBeaconなど、Bluetooth Low Energyを用いたビーコンは、クーポン配布や位置情報取得による見守りなどさまざまなサービスに活用され、訪日外国人への案内、地方活性化、防災防犯分野などでの市場の拡大が期待される。

 その一方で、動作に電源を必要とするビーコン機器では、電池交換や管理などの運用上で課題があった。また、IoTの普及によってデバイスの消費電力の大幅な増加が予想され、低消費電力化、高効率化の解決が急がれるものの、それを解決するためのクリーンデバイスの多くは、コストが高く用途が限定されているため普及には至っていない。

 今後は、プロジェクト終了後に、クリーンビーコンの設置・利用ガイドラインやオープンプラットフォームの外部インターフェースを一般公開するとともに、既存のプラットフォームおよび、サービス提供事業者へも連携を呼びかけることで、幅広い分野での活用を提案し、新サービスの開発や市場の創設・拡大に貢献するとしている。

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