カナダのアルバータ大学の研究チームは、人の体の表面に、骨格や臓器といった体内の映像を重ねて表示する医療向け拡張現実(AR)技術「ProjectDR」を開発した。
以前、スマートフォンで覗くと内臓を見ることのできるAR対応Tシャツ「Virtuali-Tee」を紹介したが、ProjectDRは医療現場での使用を想定した本格的な技術である。CTやMRIなどで取得して生成した体内の映像を患者本人の体に投影し、医師の作業を支援することが目的。
プロジェクタから映像を投影する際の位置合わせは、患者につけたマーカーの情報や、赤外線カメラからの映像を参考に実行する。そのため、体の向きや動きに連動して映像も変化し、まるで皮膚が透けて体内が見えているように感じられる。
投影する臓器などの映像は、目的に応じて選べる。例えば、肺だけや、観察したい血管だけを見る、といった表示の切り替えが可能。
研究チームは、ProjectDRが教育、物理療法、腹腔(ふくくう)鏡手術、手術計画などに利用できるとし、現在は精度向上や機能追加に取り組んでいる。さらに、実際の医療現場で試験的に使いたいとしている。
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