ニワンゴは7月12日、音楽イベントや展示会などをネット中継するライブハウス「ニコファーレ」の完成披露記者会見を開催した。正式オープンは7月18日を予定しており、当日は東方神起やAKB48、ニコニコ動画で活躍する歌い手たちによるライブイベントが開催される。会見ではドワンゴ取締役の夏野剛氏が登壇し、デモを交えて同施設の機能紹介を行った。
ニコファーレは、六本木のディスコクラブ「ヴェルファーレ」の跡地に建設されたニコニコ動画の新施設。最大で380人を収容できるホール内には、壁面4面と天井にLEDモニターが設置されており、海や草原、宇宙空間など、イベント内容に応じた世界観を映像で演出する。視聴者から投稿されたコメントもモニター上に表示できるため、ライブ中に来場者を360度囲むようにコメントが流れるといった演出も可能になる。
ニコファーレでは会場の模様を中継するだけでなく、ネット視聴者向けの演出も用意している。中継している映像にバーチャル映像を融合することで、ネットで視聴していると、会場の映像中にコメントや流れ星も同時に表示される。さまざまなアングルからライブを視聴できるニコファーレ専用の視聴プレーヤーも提供するという。
「リアルとネットではまったく違う世界が広がっている。さっき初めて見た映像もあったが、感動した。(ニコファーレは)黒字の見通しはたっていないが、それでもいい」(夏野氏)
2010年8月から有料で開催していたユーザー向けイベント「ニコニコ大会議」は、5月22日に台湾で開催された公演をもって終了した。この間に販売されたチケットの総数は、イベントに参加できるリアルチケットが1万4000枚、ネット上からイベントを視聴できるネットチケットが5万1600枚だという。
夏野氏は、「ネットでのライブにお金を払うという、世界でもまだ定着していないことが、ニコ動の世界ではすでに定着している。こういう実績を鑑みると、ネットでの課金は成立するということに強く自信を持てた」と語り、ネットライブに主眼を置いた、これまでにないライブハウスとして考え出したのがニコファーレだと説明した。
そして、「ヴェルファーレは1994年から12年間、新しいことを発信し続けてきた。ニコファーレは今年からまた新しいことを発信していく」(夏野氏)と力を込めた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」