サイバーエージェントの子会社で、小学生向けプログラミング教育事業を展開するCA Tech Kidsは1月21日、女性プログラマーに焦点を当てたトークイベントをApple 銀座において開催した。小学5年生の菅野晄さんと中学2年生の菅野楓さん姉妹、リクルートテクノロジーズ新卒2年目の野呂こずえさん、82歳の世界最高齢プログラマーである若宮正子さんの4名が登壇し、プログラミングを始めたきっかけや、アプリ開発で得られた経験などを語った。
小学5年生の菅野晄さんは、小学2年生からTech Kids Schoolでプログラミングを開始。これまでに、下からせり上がってくる百人一首の文字に、ボールが押し出されないように操作するゲームアプリ「回一首(マワリッシュ)」などを開発したほか、夏休みの課題では自身が暮らす国分寺市を3D地図にして3Dプリンタで出力したこともあるという。現在は、イラストレーターやフォトショップを勉強中で、次に開発するアプリに生かしたいと話す。小学5年生でアプリ甲子園ファイナリスト、Unityインターハイ小学生特別賞、U-22プログラミングコンテスト小学生部門賞、3Dプリントのファイブ3Dコンテスト特別賞を受賞している。
中学2年生の菅野楓さんは、小学4年生からTech Kids Schoolでプログラミングを始め、小学5年生の時に、元素の特性をゆるキャラやパズルなどで楽しみながら覚えられるアプリ「元素図鑑」を開発。現在は、「narratica」という自然言語処理によって映画やドラマのストーリーを解析し、面白い作品作りを支援するソフトウェアを開発している。過去の実績として、小学5年生でU-22プログラミングコンテストにおいて当時最年少で入賞。また、中学2年生で同コンテストの経済産業大臣賞を受賞した。さらに、孫正義育英財団の支援人材にも選ばれ、17歳以下のIT人材発掘育成事業「未踏ジュニア」ではスーパークリエーターに認定された。
新卒2年目の野呂こずえさんは、高等専門学校(高専)と東北大学大学院情報科学研究科を経て、リクルートテクノロジーズに入社。2017年度よりバイトのシフト管理・給与計算アプリ「シフトボード」のiOSアプリエンジニアとして参画し、objective-cからswiftに全置き換えする再構築とリニューアルを担当した。今後は、自身でもオリジナルアプリを開発したいという。
82歳の世界最高齢プログラマーである若宮正子さんは、60歳からPC操作を独学で習得。2016年秋からiPhoneアプリの開発を始め、2017年2月に雛人形を正しく配置するゲームアプリ「hinadan」をリリースした。同年6月には米国Appleの世界開発者会議「WWDC 2017」に特別招待され、ティム・クックCEOから最高齢プログラマーとして紹介された。安倍政権の政策「人づくり革命」の具体策を検討する「人生100年時代構想会議」の最年長構成員も務める。
81歳からアプリ開発を始めたという正子さん。気になるその動機については、「同年代の人もスマホを使うようになったけど、ちっとも面白くないと言われる。年寄りは指が思うように動かないし、スワイプやスライドもできないから。そういう人たちが喜びそうで、題材も馴染みの深いアプリがあればいいと思い、若い人に作って欲しいとお願いしたら『そんなものは分からない』と断られた。すると(別の知人から)『分からないことがあれば教えるから、自分で勉強して作ればいいじゃない』と言われたので、ごもっともと思い作ることにした」と明かす。その後、Appleのプログラミング言語であるswiftやXcodeによって、hinadanを完成させたのだという。
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