仮想のボールを床にバウンドさせて壁に当てるゲーム。ポスターにスマートフォンをかざすと、1969年の月面着陸を疑似体験できるアプリ。
これらは、Appleの拡張現実(AR)ツール「ARKit」のバージョン1.5へのアップデートで、「iPhone」や「iPad」向けアプリに加わる新機能の一例だ。ARKit 1.5は近くリリース予定の「iOS 11.3」の一部で、よりリッチなアプリを開発するための新機能が追加された。例えば、仮想の物体を、テーブルのような水平面だけでなく、壁やドアのような垂直な面にも置けるようになる。また、標識やポスター、絵画などの画像を検知する機能が付き、さらに、ディスプレイに映す現実世界の解像度が従来よりも高くなる。
米CNETは、そうしたアプリを一足先に体験してきた。開発者はARKit 1.5を使うことで、デモアプリのボールゲームや月面着陸アプリのような製品の開発が可能になる(残念ながら、企業開発者が着手しなければそのレベルのアプリは実際には登場しないだろう)。
Appleは米国時間1月24日、iOS 11.3の新機能の一環としてARKit 1.5を紹介した。このiOSアップデートで、端末のバッテリの状態を表示し、交換が必要になると知らせる機能が追加される。また、電源管理機能を無効に設定できる。これは、iPhoneの旧モデルでバッテリに起因する問題を回避するためにAppleが機能を低速化させたことをめぐって2017年末に批判が高まったことを受けたものだ。
iOS 11.3のその他の主な機能としては、「メッセージ」内でユーザーが企業と直接やり取りできる「Business Chat」と呼ばれる機能、「iPhone X」向けの4種類(ライオン、クマ、ドラゴン、ドクロ)の新しい「アニ文字」、ユーザーのかかりつけの病院や従来のヘルスケアアプリの医療データを「ヘルスケア」アプリで簡単に表示できるようにする「Health Records」などがある。
Appleによると、ARの新機能、アニ文字の新キャラクター、Health Records機能は今春にiOS 11.3に追加されるが、Business Chatはベータ機能として公開される。バッテリ関連機能は、今後のベータ版リリースで実装する計画だ。
ARKit 1.5は24日に開発者向けに公開された。iOS 11.3の正式版が一般ユーザーに公開される段階で、新しいAR機能搭載のアプリが登場するかどうかは開発者次第だ。
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