Reutersによると、ロシアは米国政府も使用しているソフトウェアの脆弱性を調べることを認められていたという。
世界中の顧客に業務用ソフトウェアやセキュリティソフトウェアを販売しているSAP、Symantec、McAfeeの3社は、コードを調べる許諾をロシア当局に与えたという。Reutersが米国時間1月25日に報じた。米議会議員やセキュリティ専門家らはReutersの取材に対して、米国の政府機関もこういったソフトウェアを使用しているため、これは懸念材料だと語っている。また、ロシアが脆弱性について知っていることには、セキュリティ上のリスクがある。
これらの企業がロシアで営業するためには、現地当局がコードを見ることを認めざるを得なかったとReutersは報じている。ロシアがソースコードを知っていることがサイバー攻撃の一因になった例は見つかっていない。
今回の新事実は、2016年の米大統領選にロシアが影響を及ぼした可能性について懸念されるなかで明らかになった。
しかし、Symantecは報道を否定し、ロシア当局による調査以降に、ソフトウェアは何度も修正やアップデートを重ねていると述べた。
「過去の調査が当社製品の安全性に影響を与えていると考える根拠は何もない」とSymantecは電子メールで回答した。
SAPは、政府系顧客がコードをテストできる「クリーンルーム」を提供していることを認めたが、記録用のデバイスを持ち込めないという。
「特定の政府系顧客は、政府のデータや環境を保護するための一環として、ソフトウェアの脆弱性をテストすることでセキュリティの評価を行う」とSAPは述べた。「そうした顧客が評価を行えるようにするために、当社は『Government Security Program』を有している。これは、政府の特別な要件に関するSAP製品のテストを許可するプログラムで、法執行機関の顧客に向けたものだ」
McAfeeからのコメントは得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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