DellとHPがIntelの忠告に従って、脆弱性「Spectre」に対処する同社のパッチを含むBIOSアップデートの適用を停止した。そのパッチには、バグが含まれているからだ。
Intelは米国時間1月22日、予期せぬ再起動が発生することを理由に、同社のマイクロコードとファームウェアアップデートの適用を停止するよう勧告した。それを受けて、世界最大のPCメーカーであるHPは「Meltdown」およびSpectreに関するアドバイザリを更新した。
Intelは15日、「Variant 2 Spectre」(「CVE-2017-5715」)向けの同社のパッチが「Broadwell」および「Haswell」CPUを搭載するシステム上で安定性の問題を引き起こすことを認めた。さらにその後、それと同じ問題が「Kaby Lake」および「Skylake」CPUにも影響を及ぼすことを認めている。
HPは23日、Intelのパッチを含む「Softpaq」BIOSアップデートを自社のウェブサイトから削除した。25日には、Intelの旧バージョンのマイクロコードを含むBIOSアップデートをリリースする予定だ。
IntelはHPやDellなどのOEM向けに、再起動を引き起こさないマイクロコードアップデートの準備を進めている。このマイクロコードアップデートには、Variant 2向けのパッチは含まれないが、「Variant 3 Meltdown」と「Variant 1 Spectre」向けの緩和策はそのまま残される。
その一方で、同社はBroadwellとHaswell向けに完全で(願わくば)安定したパッチも開発しているが、これは今もOEMと協力してテストが行われている段階だ。Kaby LakeとSky Lake向けの新しいマイクロコードアップデートは、その後にリリースされる予定である。
「Intelがマイクロコードアップデートを再リリースした後で、HPは改訂版のSoftpaqを提供する予定だ」(HP)
更新されたDellのアドバイザリによると、同社はIntelが新しいファームウェアをリリースしてから、新しいBIOSアップデートを公開する予定だ。
「Dellはすべてのユーザーに対して、Spectre(Variant 2)脆弱性向けBIOSアップデートを今は適用しないよう呼び掛けている。われわれは、影響を受けるBIOSアップデートを既にサポートページから削除済みで、現在、Intelの新しいマイクロコードを含む新しいBIOSアップデートをIntelと共同で開発しているところだ」(Dell)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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