Appleは、今春リリース予定の「iOS 11.3」で提供する一連の新機能を発表した。「ARKit」の大幅アップグレードや、「メッセージ」アプリに追加される「Business Chat」機能などがある。
ARKitのアップデートにより、拡張現実(AR)アプリは、壁などの垂直面を検出し、円形テーブルのような直線的でない面をこれまでよりも正確にマッピングできるようになる。現実世界に対してオートフォーカスがサポートされ、解像度が50%高くなることから、さらにシャープなAR体験が得られるようにもなる。大局的な観点で言えば、ARKitのアップデートにより、開発者が「iOS」に対して構築できるアプリ体験の種類が大幅に拡大されることになる。
またAppleは、Business ChatをiOS 11.3のベータ版で公開した。このチャット機能は、ユーザーがメッセージで企業と直接コミュニケーションできるようにするものだ。Appleによると、Business Chatによってユーザーの個人的な連絡先情報が企業に共有されることはなく、ユーザーはいつでもチャットを終了することができるという。
iOS 11.3に追加されるもう1つの主要な機能が「Health Records」で、ユーザーの医療データを既存の「ヘルスケア」アプリと同期する。
「提携医療機関の患者は、さまざまな医療機関からの情報を整理して1カ所に表示し、検査結果、投薬、体調などに関する定期的な通知を受け取ることができるようになる。Health Recordsのデータは暗号化され、パスコードにより保護される」(Apple)
またAppleは、iOS 11.3のリリースによって、バッテリが劣化した「iPhone」の性能を意図的に制限して物議を醸していた問題にも対処する。同社は、スマートフォンのバッテリの状態を表示して、修理が必要であればそれを推奨する機能を導入する予定だ。またユーザーは、既存の電源管理機能が有効化されているかどうかを確認し、自分の判断で無効化することができるようになる。
計画されているこの機能は、iPhoneの減速に対する一部ユーザーの怒りを静め、旧型iPhoneへの性能変更について透明性を高めようとAppleが取り組んでいることを示すという意味合いを持つものになるだろう。
Appleは2017年12月、予期しないシャットダウンなど、劣化したリチウムイオンバッテリに関連する問題を防ぐために、旧型iPhoneの性能を制限する機能を1年ほど前に導入していたことを明らかにしていた。
そしてもちろん、新しい「アニ文字」を語らずして、iOS 11.3のアップデートを語ることはできない。ライオン、クマ、ドラゴン、ドクロの4種類のアニ文字が新たに追加され、アニ文字は全部で16種類になる。
iOS 11.3のプレビュー版は開発者を対象に米国時間1月24日に提供開始され、無料のパブリックベータ版もまもなく提供される。このiOS最新版は2018年春に、「iPhone 5」以降、「iPad Air」および「iPad Pro」の全機種、第5世代「iPad」、「iPad mini 2」以降、そして第6世代「iPod touch」を対象に提供される予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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