Facebookの望み通りにことが進めば、次回、友達にドアを1秒間押さえていてほしいと頼むとき、あなたは「7億560万フリックの間、押さえていて」という表現を使うことになるかもしれない。
真面目な話をすると、おそらくそんなことはないだろう。だが、もしあなたがそうしたいなら、それは可能だ。なぜなら、Facebookが米国時間1月22日、「フリック(flick)」という新しい時間の単位を発表したからだ。この単位はプログラマーにとって便利だと同社は考えている。あなたが鍵を取りに戻るとき、友達に話しかける場面を想定しているわけではない。
レシピでカップとg(グラム)のどちらを使うか、あるいは自動車の走行距離計の単位にマイルとkmのどちらを使うかは、文化によって異なる。しかし、時間を測定する普遍的な単位に関しては、人類は秒を使用することで合意済みだ。ただし、Facebookの新しい時間単位は、1秒以下の極めて短くて不便な時間を扱う人々のためのものだ。
それはなぜか。プログラマーはスマートフォンやノートPCの画面など、計算を面倒なものにする極めて短い間隔で、頻繁にリフレッシュするものを扱わなければならないからだ。
この全てが人生における厄介で複雑な問題に思えるなら、緊張を解いて、腕時計を外し、 1秒の定義は、セシウム133原子が共鳴するマイクロ波の周期の91億9263万1770倍であることを思い出さないように努めてほしい。
フリックがビデオゲームのプログラミングで有用である理由を示す例を紹介しよう。60fpsで表示するゲームにおいて、ソフトウェアには、何千ものピクセルに相当する、動く宇宙人やレース場、戦車、トロールをスクリーンに描く方法を考え出す時間予算が16.667ミリ秒(マイクロ秒に四捨五入)ある。またゲームだけではなく、ウェブブラウザやワードプロセッサなどのソフトウェアも、スクロールやアニメーションを滑らかに表示させるために、こうした細かい時間に注意する必要がある。
しかし、16.667ミリ秒という表現は分かりにくい。そして、10億分の1秒でも長くなれば、プログラムに丸め誤差が発生することもある。フリックは7億560万分の1秒だ。Facebookは、それが多種多様な測定に便利で適切なよりどころになると結論づけた。例えば、リフレッシュレートが60fpsの場合、コンピュータには、1つの新しいスクリーンフレームを作り出す時間が1176万フリックある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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