1月9日〜1月15日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。スマートフォンは、特に米国の生活においては、脆弱なインフラを補う新しいツールとして、なくてはならない存在になった。長期間でその座を勝ち取ったのではなく、ほんの5年ほどの間に、急速に強まった。いわば、「米国ライフスタイルのスマホ依存」を指摘すべきだ。
そのことはさておき、Appleはこどものスマホ依存に対する対策強化の意向を示した。
Appleの大株主2社は、Appleに対し、こどものスマートフォン依存に対する懸念を表明した。これを受けてAppleは1月8日に声明を発表した。これによると、「Appleは常に子供たちに配慮してきた。われわれは、パワフルな製品の開発を通じて、子供たちを鼓舞し、楽しませ、教育する一方で、保護者が子供たちをオンラインで保護できるよう支援することにも尽力している」としている。
Appleは2008年にリリースしたiOS(iPhone OS 2)に、こども向けに機能やコンテンツへのアクセスを制限するコントロールを導入している。現在のiOSでは、アプリ、動画、ウェブサイト、音楽といったコンテンツをiOSデバイス上で制限する機能が備わっている。
しかし今回の批判は、iPhoneを日々使う上での依存症へ陥らない対処を行うべきとの指摘だ。
2017年、The New Yorkerのイベントに登壇したJony Ive氏は、iPhoneの間違った使い方として「使いすぎてしまうこと」と指摘した。依存症はまさにこの使いすぎを意味しており、Appleが今後、体験デザインの面でiPhoneの使いすぎをいかに防ぐかを考えていく兆しとみられる。
しかし、iPhoneの利用頻度が下がることは、Appleにとってネガティブな影響を免れない。
AppleはiPhone向けのアプリを配信するApp Store、音楽定額サービスApple Music、ストレージなどのサービスが利用できるiCloudと、主にサービス部門の売上高をiPhoneユーザーから得ている。iPhoneゲームが活発にプレイされればApp Storeからの売上が上がり、写真やビデオの利用頻度が高まれば、iCloudストレージの契約も拡がるからだ。
また、iPhone依存症に陥っている原因は、Appleにはほとんどない。iPhoneで動作するコミュニケーション系のアプリ、例えばFacebookやInstagram、Twitter、Snapchat、LINEなどが、彼らを分刻みでiPhoneに触れさせてしまっているのだ。
こどものスマホ依存解消には、Appleのみならず、開発者も大きなジレンマを抱えることになる。Appleが今後、この問題にいかに対処していくのか、注目していきたい。
アップル、「子供のスマホ依存」で対策強化を約束(1/10)Appleは、さまざまな政策において、トランプ政権の方針と相容れない側面が多い。環境政策、製造業などに加えて、移民政策についても、批判的な立場を貫いてきた。
DACAといわれる、幼少時に不法移民の子供として米国に入国した人たちの地位を保護する政策は、オバマ政権時代に成立した。しかしこれが打ち切られることがトランプ政権から発表され、3月5日の期限が近づいている。そのため、彼らを保護できるようにする法案を1月19日までに可決するよう米国議会に求める公開書簡が出された。
この書簡にはAppleを含む100を超える主要企業や業界団体のリーダーが署名しており、AppleのTim Cook氏やFacebookのMark Zuckerberg氏、AmazonのJeff Bezos氏、GoogleのSundar Pichai氏、Salesforce.comのMarc Benioff氏も含まれる。
DACAの対象となっている人々はDreamerと呼ばれ、80万人が修学もしくは就職をし、米国内に留まっている。書簡では、この問題に対処しなければ、米国経済に2150億ドル(約24兆円)の損失が出るおそれがあるとも主張している。特にテクノロジ企業は人材の確保が重要で、従業員を失うリスクを回避したいという背景が色濃く表れている。
不法移民の救済、アップルなど100社以上のCEOが要求(1/12)Appleは1月10日から、中国で作られたiCloudアカウントについて、中国国内での管理に移行することを、ユーザーに通知している。中国本土以外で登録されたアカウントは影響を受けない。
Appleは2017年7月、貴州省政府と覚書に署名し、10億ドル(約1110億円)規模のデータセンターを運営することにも同意した。2017年6月に中国で新たに制定されたサイバーセキュリティ法に準拠ためだ。この法律では、中国国民や組織のデータを中国国内で保管し、中国企業によって運用されることが義務づけられている。
この問題を巡っては、中国による検閲に協力することになるのではないか、といった批判が米国や中国の企業・ユーザーから上がっている。しかしAppleは、法令遵守の原則と、他国と同じレベルのプライバシー管理を説明し、サーバ移行については速度と信頼性の向上を説明している。
アップル、中国での「iCloud」サービス運営を中国企業に移行へ(1/15)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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