FiNCは1月10日、ヘルスケア分野で15件の人工知能関連特許を取得し、特許を活用した「姿勢分析機能」と「睡眠自動記録機能」を開発したと発表した。
同社はこれまで、人工知能を活用した提供サービスを通し、利用者の悩みや生活習慣・身体情報などをもとに、一人ひとりにパーソナライズされた生活習慣改善のためのアドバイスを実施していた。今回、提供サービスに基づく、ヘルスケア分野における人工知能に関連した15件の特許を取得した。
今回取得したヘルスケアアドバイスに関する特許の中で、特に基本となるのは、「特許第6010719号 パーソナライズ健康アドバイスAI」特許だという。
従来の技術におけるユーザーからの質問に対する人工知能の回答は、ユーザーの年齢や性別など、同じ属性に対して同じ回答を返すという画一的なものだったため、生活習慣や趣味嗜好の違いなどにあわせた回答が得られなかった。今回、同社が独自開発したAIテクノロジにより、個々人のライフスタイルや生活習慣にあわせて適切な回答が得られるようになり、同特許を取得した。
同テクノロジを利用すると、例えば、「30歳・女性・会社員」という属性に加えて、「運動をよくする」「野菜が苦手」というような、ライフスタイルやライフログに基づいて適切にリコメンドし、利用者にあったアドバイスを行なうことができるという。
また、「専門家と専門家のアシスタントとしてAIが同チャット内でユーザーに健康管理のアドバイスを行なう特許(特許6209667号)」と「投稿された食事情報から栄養情報を分析し、ユーザーにパーソナライズされたアドバイスを行う特許(特許第6075905号)」などの特許も取得。これにより、ヘルスケア分野における広範囲の権利を取得した。
なお、この度開発した人工知能(Deeplearning)による「姿勢分析機能」は、FiNCアプリに搭載。アプリ内で自身の写真を2枚(面/横)撮るだけで人工知能が姿勢分析を行ない、改善のためのアドバイスを受けられるようになり、人工知能が分析結果に合わせて、利用者に最適なストレッチやフィットネスなどの動画コンテンツを提案する。
機械学習を活用した「睡眠自動記録機能」は、FiNCアプリに自動記録される歩数や過去の睡眠記録から睡眠時間を予測し、自動で記録する機能。歩数に加えて、FiNCアプリをインストールしたスマートフォンを持っているだけで、睡眠も自動で記録されるようになる。
同社によると、姿勢の悪化は、肩こり・腰痛・膝痛などの身体的疾患や呼吸機能悪化の原因となり、気分や抑うつ感などの心理面にも影響を与えることが明らかになっているという。また、身体的疾患により運動量が低下することや心理状態の悪化は生活習慣病を引き起こす要因になりえる。さらに、日本の成人の睡眠時間は6時間以上8時間未満の人が最も健康とされており、睡眠時間の減少は、生活習慣病になる危険性やうつなどにも関連があるという。
起床時間が不規則になると、生活リズムが乱れ朝の覚醒が困難になり、多くの病気を引き起こすことから、FiNCアプリで姿勢の分析・改善が簡単に行え、睡眠時間が自動で記録できるようになることで、健康管理や疾患予防に役立てられるとしている。
なお、今回取得した特許には以下がある。
また、スタンプと指導文例候補を表示し、専門家の回答負担を低下させる「グループ指導における食事画像分析」とユーザーにより撮影された画像を専門家による所定の方法によって分析させ、動画を含むフィードバックをユーザーに提供する「姿勢分析」の2技術が登録中となっている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス