スペインのアリカンテ大学の研究チームは、モバイルネットワークの電波が届かない山岳地帯のような場所でも、スマートフォンの無線LAN(Wi-Fi)電波を使って救難信号を発信および受信できるシステムを開発した。救助隊などがこのシステムを導入すれば、人命救助に役立つという。
このシステムは、救援信号を発信するスマートフォン用アプリと、その信号を受信する端末で構成される。救難信号はWi-Fiの電波で放たれるが、特殊な端末で受信し、数km離れた地点でも検出できるそうだ。モバイルネットワークに依存していないため、人里離れた場所でも機能する。
Wi-Fi救難信号には、ユーザーの位置情報のほか、「怪我をしています」「道に迷いました」「助けて下さい」といった簡単なメッセージも付加できる。信号は数時間、バッテリの残量があれば数日にわたって送信され、ユーザーが意識不明になっても救援を求め続けられる。受信用の端末は重さが500gほどなので、救助基地に設置しておくだけでなく、救援隊が携行することも可能。
このシステムは、山などでの遭難だけでなく、地震や洪水、山火事といったモバイルネットワークのサービスが使えなくなった災害時の救助にも活用できる。
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