登山などで離れた地点にいる仲間とやり取りする場合、携帯電話の電波が届かない地域だとスマートフォンはまったく役に立たない。そうなるとトランシーバーの出番だが、音声通話しかできず、インターネット経由で写真などをやり取りすることに慣れた今となっては物足りない。
そこで、数km離れたスマートフォン同士を通信可能にするモバイル無線LAN(Wi-Fi)ルータ「Sonnet」を紹介しよう。現在クラウドファンディングサービス「Kickstarter」で支援募集中。
Sonnetは、Sonnet同士が電波で独自の無線メッシュネットワークを構築し、それぞれにWi-Fi接続したスマートフォンを双方向通信できるようにするデバイス。携帯電話網の整備されていない場所でも、離れたスマートフォン間でメッセージ交換、画像送受信、GPSによる位置情報の通知などが実行可能になる。インターネット接続するわけでないが、通信できる意味は大きい。
サイズは88.0×88.0×17.0mm、重さは160gとコンパクト。IP66相当の防水性と防じん性を備えているので、登山の際も安心だ。
Sonnet間の通信に使う電波の周波数は、北米だと915MHz、欧州だと868MHz、アジア太平洋地域だと433MHz。出力は1w。通信可能距離は、見通せる場合だと最大10km、一般的な環境だと最大5km。ただし、Sonnetはメッシュネットを構成するため、あるSonnetが別のSonnetに通信を中継するよう配置されていれば、さらに離れたスマートフォン間でもやり取りできる。
Sonnet用のアプリをインストールしておくと、緊急事態の際、周囲の全Sonnetユーザーに助けを求められる。アプリ内のパニックボタンを5秒間押し続けるとSOSモードになり、通常の通信相手だけでなく、ほかのSonnetユーザーにもGPS情報付きの緊急メッセージが送れる。
内蔵バッテリの容量は4000mAhで、バッテリ駆動時間は最大24時間。モバイルバッテリとしても機能し、スマートフォンを充電することも可能。
Kickstarterでの支援受付期間は日本時間8月1日まで。記事執筆時点(日本時間6月29日14時)でキャンペーン期間は33日残っているが、すでに目標金額1万7000ドルを大きく上回る約2万5000ドルの資金を集めている。
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