シェアメディカルが開発・提供している医療用チャットサービス「メディライン」が、カンボジアのサンライズジャパン病院で採用され、運用を開始している。同社初の海外展開事例だという。
サンライズジャパン病院は、8年間の医療支援活動、準備期間を経て、2016年10月にカンボジア王国プノンペンにて開院した初の日式病院。脳神経外科を中心とした高水準の日式医療サービスを提供しているほか、日本人医師や看護師も勤務しており、同国の医療水準向上に寄与しているという。
サンライズジャパン病院では、夜間、入院している患者に異変があった場合など、関係するスタッフへの連絡や状況の共有などにメディラインを活用。カンボジアでは、固定のネット回線やPCより先にスマートフォンが普及したことから、メール連絡より手軽なメディラインの方が現地スタッフにも馴染みやすく、オンコール待機や非番の医師への確認や呼出しにも利用している。今後は、カンボジア人当直医師から送られた検査データをもとに待機中の日本人医師が相談を受けるなど、活用シーンを広げるという。
同社によると、メディラインは、海外展開を見越して英語版も用意しているほか、クメール語などさまざまな言語での通信が可能だという。海外の向けの医療ITに関しては、日本企業は完全に出遅れており、日本では足踏みを続ける遠隔診療なども海外ではすでに日常的に行われている事も珍しくない。特にASEAN・メコン地域の成長は著しく、日系企業の在留邦人も多い。
また、経済成長と共に同地域国民の健康意識は高まっているものの、望む医療が提供できていないのが実情であり、医療ツーリズムなど諸外国から患者を受け入れ、医療を産業として振興する国も出てきているのも特徴だという。
同社では、今後現地事情に明るい商社や代理店などと協業し、日式の医療コミュニケーションインフラの輸出にも力を入れていくとしている。
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