Microsoftと「Always Connected PC」のパートナー各社は、セルラー接続および電源管理機能の強化に取り組んでいる。これらの機能は、2018年春にリリース予定の次期「Windows 10」(開発コード名「Redstone 4」)に搭載される可能性が高い。
Microsoftは、台湾の台北で現地時間11月30日と12月1日に開催されたWinHEC Fall 2017 Workshopで、これらの新機能に関する情報をいくつか明らかにした。このイベントで披露されたプレゼンテーションのスライドの一部は、Microsoftのウェブサイト「Channel 9」で公開されている。
WinHECのあるセッションでは、Always Connected PCを重点的に取り上げた。Always Connected PCはIntelまたはARMベースの軽量薄型デバイスで、eSIM技術を実装しているため、常時オンかつセルラーネットワークへの接続状態が保たれる。Microsoftとパートナー各社は、先ごろ開催されたSnapdragon Tech Summitで、Snapdragonを搭載した次期Always Connectedデバイスをいくつか披露している。
現在、「Surface Pro」を含む一部のWindows 10搭載PCは、デバイスにバンドルされているか購入時に挿入するSIMを利用してLTEネットワークに接続できる機能を備えている。しかし、WinHECでのプレゼンテーションによると、MicrosoftはRedstone 4でセルラー接続をよりシームレスにするよう取り組んでいるという。
エンドユーザーは、自分のデバイスをWindowsでモバイル通信事業者のデータプランに紐づけて、eSIMのプロファイルをクラウドからダウンロードできるようになる。この「Consumer eSIM」機能では、店頭でアクティベーションする必要がなくなる。この機能は「Windows 10の次期バージョン」でサポートされる予定だが、利用条件は通信事業者、チャネル、地域によって異なる。
MicrosoftはRedstone 4の一環として、「Enterprise eSIM」機能もテストする予定だ。企業はこの機能を通じてモバイル通信事業者からセルラーサブスクリプションを一括購入できるほか、Microsoftの「Intune」などのモバイルデバイス管理サービスを利用して接続を自動でプロビジョニングできるようになる。
Windows 10は現在、「Connected Standby」の進化版である「Modern Standby」を実装している。MicrosoftはWinHECのModern Standbyに関するプレゼンテーションのスライドの中で、Modern Standbyとは「Connected Standbyと『Disconnected Standby』の両方を含む総称」だと説明している。Modern Standbyは、バックグラウンドの動作や、旧電源モードでは利用できなかった特定のスリープからの復帰シナリオを管理する機能だ。
MicrosoftとIntelはプラグフェスト(相互接続性を検証するイベント)を実施することにしており、これがModern Standbyデバイスの「準備を加速」させる原動力になると期待している。両社は、テストに合格したデバイスに認証を与える計画だ。また、WinHECのスライドによると、Modern Standbyをモバイルデバイスだけでなくデスクトップ上でも利用できるよう協力していくという。これによって可能になる新たなシナリオが、「Wake on Voice」や「Wake on Fingerprint Reader」を補完する「Wake on Remote Desktop」だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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