「ひかりTV」板東社長が仕掛ける“第4フェーズはスマホ”に注力した市場拡大 - (page 3)

映像配信は第4フェーズへ、狙うのは“スマホ”市場

――儲け筋である映像配信ビジネスの今後について教えてください。ここ数年同様のサービスもかなり増えてきましたが。

 ひかりTVは、光回線を使用している方に使っていただくことで伸びてきたサービスです。しかし、この部分はかなり充足してきましたから、今までのやり方だけでは厳しい。今後狙うのはスマートフォン向けの映像配信です。


「dTVチャンネル」画面イメージ (c)STUDIO DRAGON CORPORATION

 テレビ向けは高画質化が1つのキーワードだと思っていて、ここを突き詰めていく必要があります。それに比べてスマートフォン向けは、ユーザーインターフェースやコンテンツ作りから見直す必要があります。

 テレビは自宅に帰ってゆったり視聴するのが主なスタイルですが、スマートフォンは通勤、通学など空き時間に見ることが増えると思いますし、そうなると短尺のコンテンツが好まれる。さらに片手でも操作しやすいように、縦型の画面向けのアプローチも考えていかなければなりません。スマートフォン向けのオリジナルコンテンツ作りなども考えていくべきだと思っています。

――NTTドコモと連携されるようですね。

 スマホ向けサービスを拡充する上で、NTTドコモと連携する意義は大きいと思っています。今後検討していくスマホ向けの独自コンテンツも展開しやすくなります。

 まずは、スマートフォン向け取り組みの1つとして、NTTドコモが2018年1月からスタートする「dTVチャンネル」があります。我々はこのサービスの運営面とチャンネル調達において連携します。スマートフォンかタブレットにインターネット環境があれば30以上の専門チャンネルが見られるサービスで、月額税別780円で提供します。VODサービスの「dTV」とセットで利用すれば、月額税別980円で見られるセット価格も用意し、スマートフォンでも多チャンネルとVODの両方が楽しめる環境を整えます。専門チャンネルには、日本初提供となる「ソニーチャンネル」なども用意しました。

 また、光回線を利用し、専門チャンネルと地上、BSデジタル放送をあわせた多チャンネル放送と、dTVコンテンツを含む、約16万のコンテンツが見られる映像サービス「ひかりTV for docomo」(月額税別:2500円~)も開始します。スタートは春ですが、スマートフォンでもテレビと同様のコンテンツ体験を提供します。

 これにあわせて、ドコモの全ての映像サービス等をご自宅のテレビで視聴するためのセットトップボックス「ドコモテレビターミナル」も開発しました。外付けHDDをつなげれば番組の録画もでき、専用アプリを使って、別室や外出先でも、スマートフォンから番組録画予約や映像コンテンツの視聴もできます。


セットトップボックス「ドコモテレビターミナル」
――スマートフォン向けのサービスを一気に拡充されますね。

 ここが最大の課題ですから、積極的に取り組んで行きます。映像配信サービスは3つのフェーズで考えていましたが、今こそ第4フェーズに入る時だと思っていて、その中心がスマートフォンです。

――ひかりTV全体の今後の戦略はいかがでしょう。

 映像配信サービスを中心に、音楽配信、電子書籍、ショッピング、ゲームと数多くのサービスを展開していることがひかりTVの強みですから、今後は横串の展開を強めていきたいと思っています。

 例えばアニメの映像作品を映像配信サービスで配信する際に、電子書籍で原作本や関連グッズをおすすめするなど、ひかりTVならでのレコメンデーションの仕組みを提供していきたいと思っています。

 もう1つ考えているのは、いわゆるユーチューバーのような、フリーで映像作品を作っている方のコンテンツを提供するような新しい試みにも取り組んでいきたいと思っています。勢いもありますし、放送局などでは考えつかないようなアイデアの作品もたくさんありますから、そうした動画コンテンツを今とは別の形で見せていくのは面白いかもしれません。映像制作機器の貸し出しをするなど、私たちならではのサポートの仕方も考えていきたいです。

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