管理職になりたいと思う人の割合が、極端に少ない時代だという。「責任を負いたくない」「給与は減って負担だけが増える」「自信がない」などの理由が挙げられているが、「なんとなく気持ちは分かる」という人が多いのではないか。本書は、このような時代にふさわしい「リーダーシップ」とは何か、その「リーダーシップ」を身につけるにはどうすればいいかを説くとともに、組織のあり方についても疑問を投げかけている。
著者は、「未来に向けて今の当たり前を問い直しながら、一人ひとりが未来に向けて踏み出し、そこに連鎖が生まれる状況をつくりだす」ために、役割別に「リフレーミング・リーダーシップ」「コネクティング・リーダーシップ」「オーセンティック・リーダーシップ」の3つのリーダーシップが必要だと述べている。それぞれの役割を知ると、なるほどと納得できる。
たしかに管理職というのは、1人でなれるものではない。会社があってのことであるから、個人の資質や考え方以前に、会社すなわち組織全体で、管理職のあり方について議論されるべきであるし、変化していくものである。本書は、管理職にはなりたくないが、ならざるを得ない人が読んでも役に立つが、すでに管理職に就いている人や、会社の経営層や社長など皆で読むことで、意識を変え組織を変えていくのに役立つだろう。
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