リーダーは「リーダー」という名前が付くだけではダメなわけだが、誰でもリーダーになったその日からリーダーとして振る舞えるわけではない(リーダーになる前からリーダーのような人も時にはいるが)。リーダーとしての自覚を持って、成果を上げていくには、それなりの訓練が必要だ。それも客観的な目で、問題を見つけ出し、解決していくための訓練だ。
疑問を持つこと、そして「本当に問題なのは何か」を考えることがいかに難しいか、本書の事例とワークを見るとよく分かる。とくに、問題が自分自身にあるとき人間は、それを直視することを避けようとしてしまうからだ。本書は、業界や組織、周囲の人々や部下、そして自分自身に対しても「疑問」を持ち、思考を繰り返し対処していくことを習慣化するためのツールである。
チームあるいは会社の皆が、バラバラの方向を見ているとき。会社全体で仕事がうまく回っていないとき。部下が言うことを聞かないときや、人が次々と辞めていくとき。どれもよくある状況だが、状況が改善されなかったり、悪化したりする問題の本質はどこにあるのか、見誤っていないだろうか。本書が本当の問題を見極める助けとなるかもしれない。
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