9月にリリースされたAppleの新OS「iOS 11」。これにより、「iPhone 6s」以降のiPhone、iPad Proモデルのいずれか、または2017年に発売した第5世代の「iPad」のユーザーは、AR(拡張現実)アプリを利用できるようになった。
ARアプリにより、現実の風景に重ねた仮想コンテンツを通じて、さまざまなコンテンツを楽しめる。よく例に取り上げられるのはゲームだが、実は家のサイズに合ったインテリアを考えたり、メジャーなしに部屋の間取りをARで測定したりできるアプリもある。
なお、よくApp Storeを利用している人は気づいているかもしれないが、6月に刷新されたことでアップルオリジナルのストーリーや記事が増えている。
検索機能も強化され、Today、ゲーム、Appの各タブにある記事やコンテンツも探せるようになった。アプリケーションの名称、カテゴリ、開発者名、トピックで検索すれば、特定のアプリケーションやゲームだけでなく、記事、コレクション、App内課金についても関連する検索結果が表示される。
iOS 11のリリースから約2カ月がたち、AR対応のアプリも徐々に増えてきている。iPhone/iPadから「App Store」を開くと、毎日テーマごとに日替わりでアプリが紹介されているほか、「検索」で“AR”と打ち込めば、App Storeのスタッフが厳選したARゲームアプリのまとめ紹介も掲載されている。
ここでは、日常生活で役立つ、またちょっと未来を感じられる、無料で使えるアプリについて5つ紹介する。
不動産・住宅情報サイトのLIFULL HOME'S(ライフルホームズ)が手がけるアプリ。賃貸物件や購入物件をお好みの条件で探せるのはご存じのとおりだが、実はARを使った部屋の計測機能も備えている。
見学メモの「ARお部屋計測」機能では、物件見学時に測りたいところをタップしていくと、同社のキャラクター「ホームズくん」が部屋の中を走って壁の長さなどを計測してくれる。測定する距離が長いとホームズくんが「ゼェゼェ」といったリアクションをするのもかわいい。
柱の形に関係なくいろいろな形を測定でき、平面も測れるので、人が寝っ転がった状態で自分の面積を測るといったおもしろい使い方をするユーザーもいるそうだ。
また、物件見学中に撮影した写真やARお部屋計測の計測結果は物件ごとに自動でフォルダ分けされ、それぞれに気になったことをメモをつけて保存できる。
ARによる測定の正確性はどの程度なのだろうか。LIFULLのLIFULL HOME'S事業本部 大嶋祐子氏によれば、測定したい場所の近くで測定すれば、かなり正確に測れるが、遠くから測ると誤差がでてくるという。ミリではないが、センチ単位では正確に測定できるとのことだった。
RoomCo ARは、スマートフォンのカメラを使って、画面に映し出された自分の部屋などの現実の空間に3Dデータの家具を配置して試せるアプリだ。
好きなブランドの家具を見つけたら、「アイテムを配置」を選んで画面右下の「家具を追加」ボタンをタップする。するとiPhoneのカメラが床面を認識し始めるので、設置したい位置を指示するだけだ。
家具は、無印良品やディノス、Unico、Francfranc、大塚家具など22ブランド、30万SKUの製品に対応する。リビングスタイル 代表取締役の坂本尊志氏は「国内で家具を買いに行かれるところはほぼ入っている」と説明する。
ソファやチェア、ダイニングテーブルなどの大型の家具を買うときは、一般的に家と店の間を4往復する人が多いという。「それでも、家具は試着ができない。ショールームは広いので、家に帰って大きかった、イメージと合わなかったという、“サイズ”と“相性”が家具選びの二大失敗原因。なので、試着できるといいな、という思いで作った」(坂本氏)
また、同社はインテリアショップのBtoBのシステムを手がけており、3Dのデータは公式。実際売っている30万SKUの中から好きなものが選べるほか、気に入ればそのままECサイトで購入も可能だ。
ARで測定したデータの正確性については、「データ自体は正確なので理論上は100%正しいが、ARのトラッキングの状況によって異なる。1cmの誤差を求めると難しいが、2割違うことはまずない」とのことだ。
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