Mozillaが「Firefox Quantum」(バージョン57)をリリースした。同ブラウザを取り巻くエコシステムに対し、かなり久しぶりとなる大規模な変化が起こりそうだ。かなり多数の拡張機能とアドオンが機能しなくなる見込みであることが、その理由である。
米国時間11月14日にリリースされた「Firefox Quantum」は、C++に代わる同社の言語「Rust」やマルチプロセス機能など、長年にわたって使われてきた多数のプログラムを統合して、ウェブブラウザが高速化されているが、その代償として、Firefoxの最大の特長である拡張性が低下している。
XULからWebExtensionsへの移行は2015年半ばから示唆されていたため、意外な動きではまったくないが、過去との厳しい決別ではある。
人気の高い多くの拡張機能が、新しいフレームワークに既に移植されているが、WebExtensionsではこれまで以上に制約が課されるために、既存のアドオンの中には、これまで実行していたことが実行できなくなるものもある。
「Firefox 56」以前のバージョンをまだ使用していて、Firefox 57にアップグレードすると何ができなくなるのかを知りたいユーザーは、Add-on Compatibility Reporterによって、正しく機能しなくなるものを確認することができる。
このアドオンをインストールして、ブラウザのabout:addonsページに移動すると、正しく機能しなくなる拡張機能には「LEGACY」という黄色のラベルが表示される。
皮肉なことに、Add-on Compatibility Reporterは、FirefoxをQuantumにアップデートすると機能しなくなる拡張機能の1つだ。
機能しなくなるアドオンにどう対処するかについては、ユーザーが各自調査する必要があるが、Mozillaは、Quantumに移行してもほとんどのユーザーは影響を受けないはずだと述べている。
XULベースの拡張機能を絶対に使い続ける必要があるというユーザーは、「Pale Moon」という名称のFirefoxの派生版を使えば、正しく機能する可能性がある。あるいは、Firefoxの延長サポート版に移行して「Firefox 52」をあと11カ月間使用するか、必要な限りFirefox 56を使い続けるという方法もある。
それ以外のユーザーには、格段に高速になったFirefox 57を楽しんでもらいたい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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