Adobeは会期3日目に行われた基調講演の最後に、そうした文化的雪かきからクリエーターを解放する開発中の新機能をデモし、クリエーターから大きな拍手を受けた。また、Sneaksと呼ばれる4日目の夕方に行われた研究開発の成果を見せるセッションでも、多数のAdobe Senseiを利用した機能を紹介し、こちらもクリエーターから大きな支持を得た。ナラヤン氏は「Senseiは重要なプラットフォーム。すべてのアプリケーションに適用できるようになる。それをどんどん普及させていく」と述べ、今後もAdobe Senseiを利用した新機能を、Creative Cloudのアプリケーションに積極的に実装していくとした。
Sneaksで公開された動画から特定のオブジェクトだけを切り抜くデモ「Cloak」。従来はフレームを1枚ごとに対象をPhotoshopなどで消していたが、特定のオブジェクトだけを指定すると、AIが動画から対象物を消去してくれる。
同社のCreative Cloudの充実ぶりには正直目を見張るものがあると思う。macOS/WindowsといったデスクトップOSに加えて、iOS/AndroidのモバイルOSをサポートするマルチプラットフォーム戦略など、クリエーターが欲している製品を次々と投入している。今後はそれに加えて、Adobe Senseiを利用したAIの新機能が各アプリケーションに実装され、クリエーターの“アシスタント”として機能するようになる。それにより、文化的雪かきからクリエーターは解放され、より本質的な創造活動に打ち込めるようになるだろう。
Adobeによれば、第3四半期までの統計で新規ユーザーは2016年に比べて40%増。Creative Cloudのビジネスは成長を続けている。それは同社のマルチプラットフォームやAIという戦略がクリエーターに支持されている──その裏返しに他ならない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」