「AIはクリエーターに取って代わるのか」--疑問に対するAdobeの答えとは - (page 3)

Adobe Creative Cloud発展の大きな柱になるAdobe Sensei

 Adobeは会期3日目に行われた基調講演の最後に、そうした文化的雪かきからクリエーターを解放する開発中の新機能をデモし、クリエーターから大きな拍手を受けた。また、Sneaksと呼ばれる4日目の夕方に行われた研究開発の成果を見せるセッションでも、多数のAdobe Senseiを利用した機能を紹介し、こちらもクリエーターから大きな支持を得た。ナラヤン氏は「Senseiは重要なプラットフォーム。すべてのアプリケーションに適用できるようになる。それをどんどん普及させていく」と述べ、今後もAdobe Senseiを利用した新機能を、Creative Cloudのアプリケーションに積極的に実装していくとした。


画像の切り抜きといった単純作業をAIにさせるデモ


動画から特定のオブジェクトだけを切り抜くデモ「Cloak」

特定のオブジェクトだけを指定すると、AIが動画から対象物を消去してくれる

 Sneaksで公開された動画から特定のオブジェクトだけを切り抜くデモ「Cloak」。従来はフレームを1枚ごとに対象をPhotoshopなどで消していたが、特定のオブジェクトだけを指定すると、AIが動画から対象物を消去してくれる。

 同社のCreative Cloudの充実ぶりには正直目を見張るものがあると思う。macOS/WindowsといったデスクトップOSに加えて、iOS/AndroidのモバイルOSをサポートするマルチプラットフォーム戦略など、クリエーターが欲している製品を次々と投入している。今後はそれに加えて、Adobe Senseiを利用したAIの新機能が各アプリケーションに実装され、クリエーターの“アシスタント”として機能するようになる。それにより、文化的雪かきからクリエーターは解放され、より本質的な創造活動に打ち込めるようになるだろう。


Lightroom CCでは、PC(macOS/Windows)、スマートフォン(iOS/Android)、タブレット(iOS/Android)でクロスプラットフォームで活用できる

Creative Cloudの新ロゴ。新規ユーザーは増加傾向だとAdobe

 Adobeによれば、第3四半期までの統計で新規ユーザーは2016年に比べて40%増。Creative Cloudのビジネスは成長を続けている。それは同社のマルチプラットフォームやAIという戦略がクリエーターに支持されている──その裏返しに他ならない。

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