「Adobe Creative Cloud」が大型アップデート--新3Dツールやクラウド版Lightroomも

 アドビは10月19日、クリエイティブプラットフォーム「Adobe Creative Cloud」の大規模アップデートを実施した。

 Creative Cloudは、「Illustrator CC」や「Photoshop CC」といった定番ツールを始め、動画制作の「Premiere Pro CC」、コンポジションソフトの「AfterEffects CC」、ウェブサイト制作の「Dreamweaver CC」などを内包。また、ストックフォトサービスの「Adobe Stock」、フォントライブラリ「Adobe Typekit」、ファイルやアセットを共有できる「Adobe Creative Cloud Libraries」など、クラウドを生かしたサービスを提供する。


新機能は、年に一度の同社大型イベント「Adobe MAX 2017」で発表された

 今回のアップデートでは、新作ツールの「Adobe Dimension CC」やクラウド版「Adobe Lightroom CC」に加え、UI/UX作成ツール「Adobe XD」、キャラクタアニメーション作成ツール「Adobe Character Animator CC」の正式版が登場。また、Creative Cloudのツール群に、同社のAIプラットフォーム「Adobe Sensei」を活用し、アプリケーションやサービスのシステム全体にAI機能を組み込んでいる。

 Dimensionは、製品、パッケージデザインなどの3Dデザインを簡単に作成できるソフト。2016年の「Adobe MAX」で発表された「Project Felix」の正式版となる。PhotoshopやIllustratorとの強固な連携をはじめ、Adobe Stockの3Dアセットを無償ダウンロードしてカスタムするだけで、目的の3Dデザインを素早く作成できる。ライティングや写真との合成に必要なパースのセッティングは、Adobe Senseiが自動で調整する。


「Adobe Dimension CC」の作例

ロゴデータを流し込んで3Dオブジェクトに埋め込むことも簡単にできる

 新しいLightroom CCは、これまでのデスクトップアプリからクラウドベースとなり、スマートフォン・タブレット版のLightroom Mobileなどとの連携強化を図っている。また、Lightroom CC用のプランには1Tバイトのクラウドストレージが用意されており、RAWデータなど画像の保存が可能。ヘビーユーザーには、ストレージ容量も追加できる。Adobe Senseiを活用した画像検索機能も実装しており、検索したキーワードに関連する画像をリストアップしてくれる。

 なお、既存のデスクトップアプリは「Lightroom Classic CC」に名称を変えており、プレビュー生成などパフォーマンスの高速化や、色域と輝度差からのマスク作成などに対応した。


モバイルアプリやウェブアプリも刷新された

従来のLightroomは「Lightroom Classic CC」に名称を変更した。高いパフォーマンスが必要の場合はLightroom Classicが適しているという

 Lightroomのプランは、Lightroom CCに1Tバイトのオンラインストレージをパッケージ化した「Lightroom CCプラン」に加え、Lightroom CC、Lightroom Classic CC、Photoshop CC、20Gバイトのオンラインストレージをセットにした「Creative Cloudフォトプラン」が用意されている。利用料はどちらも月額980円だが、Creative Cloudフォトプランに1Tバイトのストレージを追加した場合は月額1980円となる。


各プランの比較

 Character Animator CCは、PhotoshopやIllustratorで作成した2Dキャラクタをアニメーション化できるツール。ウェブカメラなどで取り込んだ表情からリアルタイムでモーションを付けられるほか、リップシンクの精度を向上させている。そのほか、ポーズ間ブレンドや新しい物理動作、キーボードやMIDIデバイスでのジェスチャーコントロールも可能だ。リップシンクには、Adobe Senseiを使用している。

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