Googleは、ウェブをHTTPSがデフォルトだと言えるような状態にすることを目指している。その取り組みは成果を上げているようで、「Android」「Windows」「Mac」「Chrome OS」向けの「Google Chrome」ブラウザでHTTPSトラフィックが着実に増加している。
今から1年前、HTTPSによって保護されたトラフィックがWindows版で50%を突破し、Chromeのトラフィックは重要な閾値を超えた。米国時間10月14日の時点で、Windows版ChromeのHTTPSトラフィックは66%に達している。
Chromeで読み込まれるHTTPSページの割合は、全てのプラットフォームで増加している。Android版では現在64%で、1年前の42%から拡大した。Mac版とChromeOS版のChromeでは、HTTPSで保護されたトラフィックの割合は75%で、それぞれ1年前の60%と67%から増大している。
さらに、Googleによると、現在最も人気の高い100のサイトのうち、71サイトでHTTPSがデフォルトで有効になっており、1年前の37サイトから増加したという。
GoogleのHTTPS暗号化に関する透明性レポートによれば、米国ではWindows版Chromeで読み込まれるページの73%がHTTPSを使用しており、1年前の59%から拡大したという。
ブラジルやドイツ、フランス、ロシアなど、ほかの主要市場でのHTTPSページの割合はそれより少し低いが、それら全ての市場でその割合は同様に拡大しているという。日本でも増加しているが、全ページに占める割合はわずか55%だ。1年前は31%だった。
Googleは開発者にHTTPSの有効化を奨励し促すために、さまざまなインセンティブとペナルティを考案してきた。例えば、HTTPSサイトの検索ランキングを上げたり、HTTPページに対するChromeのセキュリティ警告を変更したりした。さらに、無料のデジタル証明書を提供する「Let's Encrypt」証明書発行サービスを支援している。
Chromeのユーザー数は10億人を突破した。Googleは、ウェブサイトがコンピュータのカメラやマイクなどのハードウェアにアクセスできる新しいブラウザ機能を利用したい開発者に対して、HTTPSに移行するよう呼びかけている。
2017年1月、Googleは独自のルート認証局(CA)の運営を開始し、自社の製品向けにSSL証明書を発行している。先頃、「App Engine」ユーザー向けのマネージドSSLサービスも開始した。
さらに、Googleは「.foo」や「.dev」など自社のトップレベルドメイン(TLD)で、「HTTP Strict Transport Security」(HSTS)の有効化を開始した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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