専門分野のことだからと、専門用語をふんだんに用いた解説をプレゼンで披露したものの、聞き手があまり乗ってこなかった。自分は冗談が大好きだからと、プレゼンでいくつかジョークを言ってみたものの誰も笑わなかった。そうした失敗談があれば、なおさら本書のアドバイスに耳を傾けるべきだ。本書は、「プレゼンなんていつものことで、自分は慣れている」と思っている人にこそ必要な本だ。
基本的なスライドの作り方が知りたい人には、本書は参考にならない。そうした図解は出てこないからだ。しかし、スライドを作る前にしなければならないこと、スライドを作る際に注意を払わなければならないこと、会場でマシントラブルに見舞われた場合、難しい質問をされた場合など、プレゼンで想定されるあらゆる場面に役立つアドバイスが満載だ。
「どこから読んでもいい」と書かれている通り、最初から順番に読まなくても大丈夫な内容だ。自分が一番気になっていること、困っていることがあれば、目次でその項目に目が行くはず。どの項目にも「そういうことってあるある」という実例があり、共感しながら読み進められる。ストーリーが面白いので、いつのまにか全部を読んでいたということになるだろう。あとは練習あるのみだ。
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