iOSやAndroidのアプリをブラウザで簡単に制作できるサービス「Yappli(ヤプリ)」を提供するヤプリは10月16日、グロービス・キャピタル・パートナーズをリード投資家とし、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、既存株主であるYJキャピタル、川田尚吾氏を引受先とした第三者割当増資と、一部みずほ銀行などからの融資を合わせ、総額約6.7億円の資金を調達したと発表した。累計調達総額は約10.3億円になる。
Yappliは、クーポンやカタログ、ニュースなど20種類以上の中から使いたい機能を選択後、デザインを設定してコンテンツを登録するという、わずか3ステップでアプリを制作できるサービス。iPhoneやAndroid、タブレット端末のアプリを1つの管理画面から一括で制作・更新できることが特徴だ。配信したアプリのインストール数やストアランキングなどの分析もできる。
同社によれば2013年のサービス開始以来、大手企業を中心に220社以上に導入されているという。Yappliで開発できるアプリのユーザーインターフェースはスクロールやスワイプ操作がしやすく、特にファッション領域と相性がいいと、ヤプリ代表取締役の庵原保文氏は話す。
実際に顧客の7割が、「THE NORTH FACE」や「niko and ...(ニコアンド)」「Right-on」などのアパレル事業者だという。アパレル事業者に好評なのがポイント機能だ。消費者は、ECでもリアル店舗でもスマートフォンアプリでブランドの共通ポイントを貯められる。
ファッション以外の領域でも活用が広がりつつあると庵原氏は話す。たとえば、富士通は業務用パンフレットをアプリ化してコストを削減している。また、関東学院大学はアプリを通して学生に情報伝達をしており、約5000人いる生徒のうちアクティブユーザー数は約半数におよぶという。さらに、テレビ局の公式ニュース配信アプリなどにも採用されているという。今後もこうした幅広い領域で顧客を拡大していきたい考えだ。
また将来的には、アプリを通じて集まったオフラインとオンラインのデータを活用して、新たなサービスや価値を提供したいと庵原氏は話す。現在は220社のアプリで合計1000万ダウンロードに達しているが、「これを1000社まで増やし、合計1億ダウンロードを目指す」と展望を語った。
同社では、毎年50以上の新機能やアップデートを提供しており、今回の資金調達によりプラットフォーム開発をさらに強化するとしている。また、資金調達と同時に、元マナボのCFOである角田耕一氏がCFO(最高財務責任者)に就いたことも発表した。
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