アプリ作成ツール「Yappli」が3.3億円を調達--ウェアラブル開発など強化

 法人向けのアプリ開発支援サービス「Yappli(ヤプリ)」を運営するファストメディアは9月1日、グロービス・キャピタル・パートナーズ、米セールスフォース・ドットコム、ヤフーの投資子会社であるYJキャピタル、個人投資家の川田尚吾氏から、総額3.3億円を調達したことを発表した。

 Yappliは、企業向けのアプリ運営プラットフォームで、iOSとAndroidに対応している。あらかじめ用意されたテンプレートの中から、追加したい機能を選択するだけでネイティブアプリを作成できる。アプリ公開後もシンプルな管理画面からドラッグ&ドロップで直感的にアプリを更新できる。また、アプリストアに公開するための申請手続きなどもYappliを利用することで不要になる。


「Yappli」のイメージ。ドラッグ&ドロップでデザイン変更などが可能

 これまでに30を超える大手ブランドのアプリや、200を超えるスモールビジネスのアプリに採用されているという。導入後の効果として、複数のファッションブランドにおいて、ECサイトの10%を超える売上がアプリ経由になったほか、プッシュ通知の開封率は5分で5%を超えるという。


「Apple Watch」への通知機能

 同社では今回の資金調達によって、開発体制を強化し新機能なども提供していく。9月1日にはスマートウォッチ「Apple Watch」に連動したプッシュ通知機能の正式提供を開始した。すでにnikoandやmix.tokyoなどのファッションブランドやECサイトでは、iOSとAndroidアプリに連動したプッシュ通知がApple Watchにも配信されていた。

 今回の増資に参加した米セールスフォース・ドットコムとの連携も視野に、オフラインの行動データをマーケティングに活用できるアプリCRMも開発し、2015年内を目処に提供する予定。先行事例として、ヤフーと共同で実施したイベント(アドテック東京2014)での人流解析マップなどがある。

 さらに、4月にリリースした月額課金に続き、アイテム課金機能をリリースする。これにより、動画や写真などのコンテンツを個別販売できるようになる。すでに提供している月額TBS公式アプリ「韓流エンタメ」は課金率10%を超えているという。

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