スマートフォンと連携して多彩な機能を提供することが主目的のスマートウォッチだが、身に着けて使うという特性から、心拍数などのヘルスケア用データを計測するデバイスとしてや、活動状況といったフィットネスに役立つデータを得るアクティビティトラッカーのように使われるようになってきた。Appleも、スマートウォッチの代表選手である「Apple Watch」のヘルスケアおよびフィットネス機能の拡充に取り組んでいる。
そんなAppleが、腕時計のバンドを自動調整して腕とのフィット感を変える技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間10月10日に「DYNAMIC FIT ADJUSTMENT FOR WEARABLE ELECTRONIC DEVICES」(特許番号「US 9,781,984 B2」)として登録された。出願日は2015年4月20日、公開日は2016年9月8日(公開特許番号「US 2016/0255944 A1」)。
この特許は、バンド自体や腕時計本体、バンドのバックル部分などに電気信号で作動するアクチュエータを設け、プロセッサからの指示に応じて装着時の締め付けを増す技術を説明したもの。請求項(クレーム)では「watch」(腕時計)としか記述していないが、実施例などからウェアラブルデバイス、特にスマートウォッチを想定していることが読み取れる。
締め付けを増すと、スマートウォッチのフィット感が向上するだろう。しかし、特許の目的は装着感を調整することでない。さまざまな身体活動のデータを取得するタイミングでバンドの密着度を高める、という技術である。
バンドの締め付け具合は、ユーザーによって好みが異なる。緩く装着する人の場合、スマートウォッチのセンサと肌との密着度が不十分で、精度の高い計測が難しい。そこで、計測時にバンドを締めて精度を高めるわけだ。
計測するデータとしては、体温、血圧、心拍数、呼吸数、酸素飽和度、血糖値、体重、体脂肪、血中アルコール、皮膚電位などが挙げられている。また、計測終了後にバンドを緩める仕組みもクレームに記載されている。
なお、締め付け具合を調整する仕組みは、バンドの長さを変える方法のほか、スマートウォッチ本体とバンドの取り付け位置を調整する方法、スマートウォッチやバンド、留め金を膨らませる方法、留め金で固定する位置を変える方法など、さまざまな例が提案されている。
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